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地質

2023年9月26日 (火)

諏訪兼位:岩石はどうしてできたか

岩石はどうしてできたか

画像は岩波書店のサイト(https://www.iwanami.co.jp/book/b341716.html)より

2018年発行。

 岩石学者諏訪兼位による学問の草創期からの岩石学研究史を解説した書籍。岩石の成因に関する古典的な論争について、主な研究者の肖像画を交えながらコンパクトにまとめられており、岩石学の研究史を概観するには便利な本です。あまり専門的に突っ込んだことは書いていないため、専門家でなくとも論理を理解することはできますが、非常に簡潔に書かれているため、高校地学レベルあたりの知識がないと読みにくとは思います。

 1980年代以降については変成岩岩石学を中心に記述され、ラストは都城秋穂氏の訃報によって締めくくられています。

 

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2023年8月21日 (月)

守屋以智雄:世界の火山地形

画像はアマゾンより

 金沢大学文学部元教授の守屋以智雄氏による、世界の多くの火山について、地形的特徴を取りまとめた専門書です。これは大変な労作です。地球の陸上火山をすべてではないが多数取り上げ、火山地形を解説しています。直感的には火山と認識できる山のうち、半数位を取り上げているような印象。筆者による火山地形の精緻なスケッチが多数掲載されています。これだけの内容を執筆するのにどれだけ手間がかかったのでしょうか?

 私はメキシコ沖の太平洋に浮かぶSocorro島というマイナーな火山島について知りたいと思っていましたが、文献がなかなかありませんでした。この本では、このようなマイナーな島についても取り上げられていおり、助かりました。研究が非常に少ない火山についてもかなりカバーしているようです。

 

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2023年7月 8日 (土)

ほんとうは”よわい恐竜”じてん

(画像はhttps://www.kadokawa.co.jp/product/322110000130/から)

一般・子供向けに古生物に関する本を多数書いている土屋健氏の著作です。2022年発行。




第1章 病気になるし、ケガもする
第2章 恋に育児に一生懸命
第3章 生きるのってたいへん
第4章 “身近な彼ら”もがんばった
 
 恐竜を中心に古生物に関する病気やケガ、苦労したであろうエピソードを1件につき見開き2ページで紹介した本です。「格闘化石」のようなむかしから知られているエピソードも押さえていますが、多くは最近の研究に基づく記事となっています。すべての記事に参考文献が掲載されており、巻末に文献リストがついています。2021年までの学術論文が多数使用されています。子供にも読みやすい形態でありながら、専門家にも十分利用できる内容となっている点が著しい特長となっています。
 
 もともと監修となっている林昭次氏(岡山理科大学准教授)とKADOKAWAの編集者の荒川氏が企画していたとのことです。もともと専門家が企画していた本に土屋健とイラストレーターが加わり、異色の出来となったようです。
 
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2022年3月 3日 (木)

N値の話

 土木設計コンサルタントである大成基礎設計㈱の技術者を主要メンバーとして構成されている「N値の話編集委員会」が執筆した書籍です。

 土木構造物や建築物の築造を計画する際には基礎地盤の状態を知ることが必要となりますが、その際によく行われるのが、ボーリング調査です。土木・建築目的のボーリング調査の大半では「標準貫入試験」という試験を行います。(標準貫入試験を実施しないのはダム基礎に関するボーリングや地すべり調査においてコアをよく観察したい場合、斜めや水平に掘削する場合などです。)

 標準貫入試験とImg_3946は、ロッドの先端に地盤に押し込むための器具を取り付け、ロッドの上端に63.5kgの重り(モンケン)を落下させ、落下回数と地盤への貫入長の関係から地盤の強度を推定する原位置試験です。通常は、地盤に30cm貫入させるためにモンケンを落下させた回数を記録しそれをN値と呼びます。

 N値は定性的に地盤の強度を評価するものですが、地盤の持っている多数の要素が複合的に関係して決まってくるものであるため、N値が地盤の何を表しているのかは明確ではありません。地盤の強度は粘着力Cと内部摩擦角Φで表現することが多いのですが、N値のうちどれだけがCによって発生し、どれだけがΦによって発生したかを正確に推定することはできません。CとΦを精度よく決定したい場合には別の試験が必要となります。

 それでも標準貫入試験はボーリングを実施するのであれば簡便に実施でき、追加のコストが安いという利点があります。そのため、昔から大量に試験が実施されており、データの含蓄が多く、土質定数とN値の関係や地質ごとのN値の特性が良く研究されています。このことから、およその地盤の状態を安価に知りたい場合には便利な試験であります。

 この書籍は、そんなN値について、多く提案されている地盤定数との関係式や地質とN値の関係を1冊に取りまとめた、地質調査業関係者には有用な本となっています。

 旧道路公団関係の推定式が掲載されていない点はちょっと残念ですが、N値に関する多くの情報を網羅し、背景理論の概要も確認できるため、非常に便利な一冊です。

 

  Img_3947Img_3948

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2019年1月 5日 (土)

ジオン公国を彷彿とさせる

 昨日ニュースとして広く報道されておりましたが、中華人民共和国の無人探査機が月の裏側に着陸しました。

中国の探査機、世界初「月の裏側」着陸 米との競争激化

1/3(木) 13:41配信 朝日新聞デジタル
中国の探査機、世界初「月の裏側」着陸 米との競争激化
中国最大の航空ショー「中国国際航空宇宙博覧会」で展示された嫦娥4号の模型=2018年11月6日、中国広東省珠海、益満雄一郎撮影
 中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが)4号」が3日午前10時26分(日本時間同11時26分)、世界で初めて月の裏側に着陸した。国営の中国国際テレビ(CGTN)がツイッターで伝えた。月の裏側は地球から直接見えず、地下構造などに未解明な点が多い。中国には将来の資源開発などで優位に立つ思惑があるとされ、宇宙開発でも米国との覇権争いが激化しそうだ。
 着陸した地点は、月の裏側の南極付近。嫦娥4号に搭載されている探査車が周辺を走行し、地形や地下構造、埋蔵されている鉱物などを詳しく調べる予定。
 月の裏側は、表側と比べてクレーターによる起伏が多く、地殻も表側と比べて厚い特徴があるが、詳しくわかっていない。嫦娥4号が実際に着陸して調査することで、月の成り立ちなどについて新たな知見が得られる可能性がある。
ソースはこちら
 
 月は地球を回る公転速度と自転速度が一致しているために、常に地球に対して同一の面を向けています。そのために地球から見えない方が「裏側」と呼ばれているわけです。月の表面は、白っぽく見える「陸」と黒っぽく見える「海」に分かれています。「海」は玄武岩から成り、「陸」は斜長岩(ほとんど斜長石から成る地球には小規模にしか存在しない岩石)からできています。月の表面は、「陸」と「海」が模様をなし、昔からウサギの餅つきだとか、女性の顔なんかに見立てられてきました。
 裏面になると、ほとんどが「陸」からなり「海」がほとんど見られないという違いがあります。中国の探査船が着陸したところは、マントルまで達していると見られる巨大クレーターの底であり、月の形成史の解明など、学術的な成果が期待されるところではあります。
 
 今回、中華人民共和国単独の事業ということで、気がかりなのは、軍事拠点化するのでないかという懸念があります。また、軍事拠点化とまでいかなくても、経済的に圧倒的に有利な地点を占拠されてしまうのではないかとも心配されます。
 月面の土地は宇宙条約によって領有することはできないことになっていますが、施設を作ってしまえば事実上占用できます。宇宙条約は、月のある特定の地点が占用されても、そのほかに広大な土地が空いているので後発の国も不利にはならないという思想らしいのですが、特に有利な地点を先に押さえられてしまうことのなると事情は変わってきます。
 
 今回、探査船が着陸した場所について見てみると、南極近くの巨大クレーターの底ということで、常時太陽光が当たる場所(月面では一部にしかない)が近くにあり(温度調節や発電が容易)、氷の存在が指摘されている(採掘により水を得ることができる可能性がある)場所であり、将来的な基地の候補としては極めて価値が高い位置を狙っている模様です。
 
 月の裏側ということで、地球とは直接通信ができません。月の裏側と通信するためには、中継局が必要となります。これについては、昨年後半から一部でニュースとなっていましたが、月の裏側の宇宙空間(地球から見て月の裏面の更に向こうにある空間)に中継する施設を作っていました。このような施設は中国だけが持っており、今のところ、月の裏側での行動は中国しかわからない状況となりそうです。
 
 月の裏側の宇宙空間と言えば、「ガンダム」の世界ではサイド3:ジオン公国がある場所です。このままジオン公国やグラナダ(ガンダムに登場する月の裏面にある都市)が誕生するのでは、なんて危惧も、あながち夢想とは言えないのではないか、なんて思ったりします。


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2015年5月 9日 (土)

大気中のCO2濃度が初の400ppmを超える

CO2、初の400ppm超え…化石燃料原因か
 【ワシントン=中島達雄】米海洋大気局(NOAA)は6日、世界40か所で観測している大気中の二酸化炭素(CO2)濃度の平均が今年3月、400・83ppm(1000ppmが0・1%)となり、1980年の観測開始以降初めて400ppmを超えたと発表した。
 以下略 ソースはこちら

 私が小学生のころ、大気中の二酸化炭素濃度は0.03%と習いました。その後、二酸化炭素濃度の上昇が続き、大学生のころ見た資料ではそろそろ400ppm、四捨五入して0.04%になりそうだなあと思っていました。ついに瞬間値ながら0.04%に到達してしまったようです。二酸化炭素濃度は季節変化があるため、年間平均で400ppmにはなっていませんが、早晩400ppm超えになると見られているとのことです。

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2014年7月31日 (木)

北陸電力が志賀原発S―6断層を追加ボーリング調査へ

北電が追加ボーリング調査へ 志賀原発S―6断層 
 志賀原発の敷地内断層に活断層の疑いが出ている問題で、北陸電力は28日、敷地内の 「S―6断層」で、追加のボーリング調査を実施する方針を示した。
 28日開かれた志賀町議会原子力発電所対策特別委員会終了後、北電原子力本部長の金 井豊副社長が明らかにした。
 金井副社長は時期は未定としたが「そんなに深く掘る必要がないので時間はそんなに掛 からないと思う」と話した。調査は11日に開かれた原子力規制委員会の第2回評価会合 で、調査団からデータ不足を指摘されたことを受け行う。
 特別委員会では、北電が敷地内断層について規制委から受けた指摘や対応状況を説明。 町議からは次回評価会合をできるだけ早く開催するよう原子力規制庁に働き掛けることや 、断層の調査と並行して原発の安全審査を早期に申請するよう求める声が上がった。
ソースはこちら

 他の原発でもいくつか出ている敷地内の活断層の問題です。

 普通、活断層を調べる場合には、まず文献調査、そして、空中写真判読で変位地形を抽出、その後比較的敷地に近いものについて現地踏査等を行い、活断層の疑いのものを明らかにしたうえで、疑わしい場所をはずして計画位置を決定するように思います。原子力規制庁がおかしな心配をしているのか、それとも電力側が疑いが消しけれないものについて活断層ではないと断定して原発を建ててしまったのかどちらなのか部外者には判断できませんがあとになって基礎地盤の記録資料に書かれている断層について各断層であるか否かを議論するというのは大きな違和感を持ちます。

 そしてまた、このニュースですが、追加調査がボーリングというのもちょっと疑問をもちます。活断層か否かについて漠然とした結果しか出ないはずですが、なぜボーリングなのでしょうか。もちろん地質状況についての情報を増えますので、やるなとは言いませんが。
 別の東北の原発では、テレビで東北電力が、ボーリングコアでくっついているから活断層ではないと主張していました。テレビで見ただけなので、実際のやり取りは違うのかもしれませんが、地下のある一点の断層の状態をみて活断層かどうかを判断するというのは、もしかしたら正しいやり方なのかもしれませんが、一般に認められている方法ではありませんので、より広範な批評に耐えられるように検討し、問題が出ないようにすべきだろうと思います。

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2014年6月27日 (金)

紀伊半島沖メタンハイドレートの存在可能性高まる

 次世代エネルギー資源「メタンハイドレート」について、県は24日、昨年度に行った紀伊半島沖の調査で観測した気泡の密集帯「プルーム」を詳細に分析した結果、メタンハイドレートが存在する可能性があると発表した。県はすでに国に対して掘削調査の実施を要望しているが、今後も独自に調査を続けていくとしている。

 メタンハイドレートは、天然ガスの主成分であるメタンガスと水が高圧・低温の海底などで結晶化した物質。県は平成24年度から独立総合研究所(東京都)に委託し、独自の調査を行ってきた。

 昨年11月~今年2月にかけて、潮岬沖約18キロの海域で、魚群探知機を使用し、プルームの存在を観測。プルームが湧き上がるところにメタンハイドレートが眠っている可能性が高いという。5日間にわたる調査では、水深約2200~1600メートルで、長さ約900メートルにわたって柱状に立ち上る気泡を11本確認した。

以下略 ソースはこちら

 メタンハイドレードはかなり以前(1990年代)から注目されていた天然資源ですが、県でもこのような調査をしているところがあったのですね。堆積物の分析をすればメタンハイドレードの有無が判明するとの事で、今後は国に調査を要望していくとの事のようです。まあ、存在したとしても採掘する方法などで課題も多いと思いますが、うまく行って欲しいものです。


 いままでは資源のない日本でしたが、うまく開発されれば日本の資源大国化も夢ではない??


 
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2014年5月13日 (火)

想定外の地質構造で橋台が沈下 - 急傾斜した支持層に基礎杭が届かず

日経コンストラクションに掲載されたニュースです。

日経コンストラクション 2014年4月28日号 26~29ページ (計4ページ)

《 近畿自動車道の橋梁工事で橋台に変状 》 国土交通省中部地方整備局が近畿自動車道紀勢線で整備していた橋梁で、橋台に沈下や傾斜などの変状が発生。基礎杭を打設する地盤の地質構造が想定と異なり、一部の杭が支持層に届いていなかった。発注者は完成した橋台の使用を諦めて、それに替わる新たな橋台を急遽、構築。桁にも手直しを加えて対処した。また今後の対策として、内部の設計基準に、支持層の位置把握に注意を促す項目を加えた。--以下省略--

 
 設計基準の改定として、具体的には「横断方向に支持層が傾斜していることが推察される場合は、予備調査で道路の中心線より支持層の深い側でボーリングを行う」、「海沿いで山地が多い地形での詳細調査では、地表は平坦でも支持層が急傾斜している場合があるので、縦断方向だけでなく横断方向の支持層傾斜も考慮し、基礎の左右でボーリングを実施する」と記述したとのことです。安易に調査数量を増やすことなく適切に支持地盤の評価を行うことを目指した規定を設けたといえます。
 この事件があった現場の基礎地盤についてほとんど触れられていないので(堆積軟岩のようですが)分からないのですが、はたして、地表地質踏査とその結果を考慮した地質解析をしっかり行っていたのか、行っていれば事態は防げたのではないかとの疑念がわきます。どうなのでしょうか。

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2014年2月 3日 (月)

マントル・核の境界に「水」存在の可能性

 地球内部のマントル(深さ30~2900キロ・メートル)と核(深さ2900~6400キロ・メートル)の境界付近に、水を含んだ鉱物のある可能性が高いことがわかったと、愛媛大地球深部ダイナミクス研究センター(松山市)などの研究グループが発表した。

 

 グループは、地球深部における鉱物の安定性や構造変化を計算。1250キロ・メートルより深い領域でも、鉱物は新たな構造変化を起こすため、内部に水を含んだまま存在し得ると予測した。超高圧装置で深さ1400キロ・メートル(50万気圧)の地下環境を再現し、鉱物の構造変化を観察したところ、予測通りの変化を確認。さらに、鉱物は地球深部に多く存在するアルミニウムを取り込むことで構造が安定し、マントルと核の境界付近(130万気圧)の深さまでは水を含んだままでいられることもわかった。 これまでは1250キロ・メートルより深くなると、水は圧力と温度の上昇によって分解され、存在できないと考えられていた。科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に3日、論文が掲載される。

 

(2014年2月3日07時53分  読売新聞)
 地球の核ーマントル境界付近で存在可能性のある含水鉱物の存在について、ネイチャーに論文が掲載された模様です。

 

 記事タイトルでは「水」となっていますが、もちろんH2O分子の形で存在するわけではなく、鉱物の結晶中に含まれる形で存在します。マントル内の比較的浅いところでは角閃石や金雲母の中の-OH基として水が含まれます。角閃石は約75km、金雲母は約200kmより深くなると安定ではなくなり、化学式にHが含まれる他の含水鉱物も300kmより深いところでは安定ではなくなります。それより深いところではかんらん石や輝石のFeやMgを置き換える形でわずかに含まれています。水の存在はマントル対流に大きく影響するため、最下部マントルの構成鉱物がどのくらい水を含みうるか、また実際に含んでいるかを解明することが全マントルの物質リサイクルや核の構成を探る上で重要となってきます。
 核の主要構成物質はFe,Niですが、核の密度はこれらよりもやや低いため、軽元素が若干含まれているのではないかと考えられていますが、「水」が核マントル境界まで持ち込まれると成れば、水素がその有力候補となります。

 

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