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オーディオ

2022年6月 3日 (金)

Philewebコミュニティがサービス終了へ

 

 

なんとこのようなお知らせが・・・・


「PHILE WEBコミュニティ」サービス終了のお知らせ

Philewebコニュニティとはオーディオ雑誌を刊行する音元出版のポータルサイトPhileweb内に設けられていたオーディオファンが交流するためのサービスです。すでに新規登録ができなくなっています。

登録すると、日記や製品レビューの投稿ができ、コメント欄を通して交流することができました。

わたしもこのブログを始める以前はこちらで日記の投稿を始めました。

 

近年は投稿が減り気味とはいえ、オーディオ系としてこれほどの人数が集っているコミュニティーはなかなかなく、貴重な情報交換の場が失われることは残念至極です。

 

 

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2021年7月23日 (金)

自宅大改築

 自宅の大改築を行いました!!。ほとんど新築となり、快適になっています。オーディオ部屋も引き続き確保しました。

 ということで、自宅改築についての体験を少し書いてみます。

 と言っても、家づくり自体は特にほかの方と変わったことはありません。まずは多少の情報収集を行ってから、住宅メーカー選定のため、モデルハウスなどを回ります。色々見て相談しながら新居の構想を固めて、細部の設計を打ち合わせで詰めていきます・・・まあ、こういった一般的なことは、解説したサイトがたくさんあるので、わざわざ私のブログで書かなくてもよいでしょう。

 問題は、オーディオ環境がどうなるかです。幸い、引き続きオーディオ部屋を設けることについては家族の同意が得られていました。どうせなら、音の良い部屋にしたいものです。しかし、そういったことを考えると、2つの問題があります。

 

1.音をよくすることのみを目的とした追加投資は認められない。

2.オーディオは部屋が重要と言ってみたところで、どのような部屋が音の良い部屋なのか、音の良い部屋を作るための確立した方法がない。

どちらが、より問題なのか微妙ですが、まずは2の方でしょう。音をよくする方法がわからなければ、カネがいくらあっても無意味です。

どういうことかと言えば、たとえばこんな事例が転がっています。

・リスニングルーム設計のある教科書通りに測定器も使って理想的な特性の部屋を作ってみたが、音が悪くてリスニングルームには使えず、結局物置になってしまった。

・定在波対策ですべての壁を非平面、非平行とした部屋を作ったが、最終的には普通の部屋に戻した。

・音響を多少は考えて設計しているはずのホールでも、音が悪いと言われているホールがある。

 

 こういった状況を考えれば、「特別に音の良い部屋」を狙ってつくることは難しいと考えた方がよいでしょう。業者に音の良いオーディオルームをオーダーするようなことも(できないけど)かなりのバクチ行為ではないでしょうか。(もちろん「防音室」が欲しいような場合は、カネをかけて依頼すれば確実に目指す性能のものができるでしょう)

 ということで、部屋の形状だとか吸音などに下手に凝ったりすることはやめておきます。あくまで、一般的な住宅の一室ということで、考えることにしましたが、それでも、できる範囲の工夫を凝らして部屋を考えました。

 「特別に音の良い部屋」というのは難しい一方で、「音の悪い部屋」というのは分かります。ペコペコの薄っぺらいヤワな壁の部屋です。そして、一般的な洋室によくついていて、音に悪いのがペコペコのアクリルカバーのついたシーリングライトです。

 そこで、照明はできるだけ音に悪さをしないように音の当たる面積の小さいダウンライトを少な目につけた部屋をオーダーすることにしました。まあ、これについてはどこの住宅会社だろうと注文さえすればできるので、壁の質を比較しながら住宅会社を選定することとしました。

 一般的な木造住宅の部屋の壁は石膏ボード+クロスです。ぬりかべ風の壁があったりしますが、それも石膏ボード+表面処理であり、下地は石膏ボードはぼ一択となります。土壁なども注文すればできなくはないのでしょうが、一般的ではないので、おそらく建築確認のための構造計算が煩雑などで難しいのだろうと想像します。まあそういうことで、壁についても変わったことはせず、普通に石膏ボード+クロスとしました。ただし、壁をコンコンしながらモデルハウスを回っていると、同じ石膏ボードでも、しっかりしたものからペコペコのものまで、メーカーによってかなり差があることが分かりました。石膏ボードの厚みや裏あての板の量が違っているようです。やはり比較的価格の高い、グレードの高い住宅を作っているメーカーの方が壁もしっかりしている傾向にありました。幸い、住宅のグレードを上げること自体には家族も賛成であったので、そこで、そういったよさげな壁を作っているメーカーを選びました。

ということで、前置きが非常に長くなってしまいましたが、部屋の方を紹介します。


・壁
 壁、天井は石膏ボード+クロスという極普通の作りですが、裏あての板が多く、わりとしっかりとしています。また、外壁には断熱・吸音材が入っていますが、内壁にもグラスウールが入れてあります。内壁を通した音漏れは結構防いでいるようですが、ドアからは普通に音漏れするので、隣室への総合的な防音効果はさほどではありません。

・最小限のダウンライト

 反射音の悪いシーリングライトを排除し、最小限のダウンライトのみの照明としました。白熱電球は今後入手困難になるため、ダイオード灯としています。

・スピーカー後方の棚

 オーディオ機器その他を収納するための棚をスピーカー後方の壁に設けました。ここが数十万円の追加費用が発生しているのですが、すっきり収納で見た目をよくするためという名目で、ねじ込みました。
 中央部は大きなスペースを空け、PCやモニターを設置するスペースにするとともに、スピーカーと壁の間のスペースを確保する作りとしています。
 それ以外の分割したスペースにはケーブル通しを設け、オーディオ機器を配置できるようにしています。


 充電器なども棚に収納し、棚の内部に設置されたコンセントから給電できるようにしています。以前は充電器などが床にごちゃごちゃと散らばっていました。現在でも美しいとはいいがたいですが、以前よりもずっとすっきりしました。


 最上段にはシューマン共鳴波発生装置RR-77用のスペースを設けてあります。
この装置はいろいろ試したところ、スピーカー間でかつ高い位置に設置すると効果があるのですが、高いラックをスピーカー間に設置すると音響的にはマイナスというジレンマがありました。この棚を設置したことにより問題解決です。

・ぼろ隠し
棚にはロールスクリーンを設置し、ぼろ隠しができる様にしています。

Img_3696

 ということで、音のための特別費用なしということで工夫しました。音が向上したかと言われると、明確に向上したという認識はないのですが、悪くなっていればきになるはずなので、悪くはなっていないのでしょう。

 見た目、居心地は大きく向上したので満足感はあります。

 

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2021年2月 3日 (水)

ダイアトーンのカーステレオ続編

 ダイアトーンのカーステレオについて前回記事を書いてから、使い込みが進んだため、追加情報を書いておきます。

・タイムアラインメント調整について

 この機種は各スピーカーのタイムアラインメントを調整できるようになっています。他の方の紹介記事を見ると、調整必須と海底あるものもあります。車についた状態で新車購入した場合は、初めからスピーカーから運転席までの距離により調整されています。

 私は、無調整のタイムアラインメントなしの状態とメーカー調整済みを聞き比べてみました。調整ありだと、バランスがやや高音よりになり、細かい音が若干はっきりする印象になりましたが、やや神経質な音になりました。無調整だと、やや低音寄りのバランスで、おおらかな鳴り方となるとともに、やや後ろに音が定位するようになりました。

 周波数特性を変えているわけではないので、音域ごとのバランスの違いは、おそらく位相の合う音域の違いに拠るのでしょう。音質的な優劣はあまり感じられず、好みの違いで使い分ける程度に思えました。私は何度か切り替えた結果、今は調整なしで聞いています。音を聞きながら手動で設定を追い込めばベストの設定を見つけることもできるのでしょうが、そこまでする気が起きません。

 

・iPodの再生について

 iPhone/iPod touchはUSBで接続すると、apple carplay という機能が起動し、タッチパネルと音声入力でiOSの一部機能を操作することができます。通話やLINE、PodCast、マップを使うことができます。LINEの音声入力については反応がちょっと謎のところがあり、慣れれば便利に使えるのでかもしれませんが、今のところ使いにくい印象です。

 その他iPodだと、音楽再生プレーヤとしての動作になります。私の2006年製の古いiPod Classicも再生可能でした。(ただし、使えるコマンドが少なく、使い方に工夫が必要なことは前に書いた通りです)。また、それよりは新しいiPod Touch初代機は問題なく使えると思ったら、先述のapple carplayがアダとなって使用不能でした。

・CDのリッピングについて

 音楽CDを挿入すると、SDカードACCでにリッピングできます。CD丸ごとや1曲ごとを選択できます。アルバム名・曲名については内蔵のデータベースを参照してつけてくれます。新しいCDなどで内蔵データベースにない場合はネット経由で曲名を取得できます。私はモバイルWiFiルーターを持っているので、それで接続しています。スマホとBluetoothで接続しても多分行けると思います。

 ということで、このカーステレオの機能・特徴をまとめます。

・音質は高解像度で歪みも少なく、なかなかよい。

・DVDビデオ、音楽CD、SDカード、USB、AM/FMラジオ、Bluetooth、TV(フルセグ、ワンセグ)、AUXが再生可能。

・動画は5.1ch対応

・USBにiPhone/iPod Touchを接続するとタッチパネルから操作できる。初代iPod Touch(多分初期のiPhoneやiPod Touchすべて)は使用不可

・古いiPod ClassicもUSBで再生可能であるが、使い方が制限される。

・音声ファイルはMP3、WMA,AAC,WAV,FLACに対応し、24/192までのハイレゾにも対応。

・音楽CDをSDカードのリッピング可能、ただしフォーマットはACCのみ。内蔵データベースおよびネット経由で曲目情報を取得可能。

・スピーカーのタイムアラインメント調整ができるが、単純な距離だけの調整では恩恵は感じられなかった。耳で追い込めば良くなるかも。

 

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2021年1月17日 (日)

HDMIスプリッター サンワダイレクト 400-SW015導入

 もともとAV機器に外部スピーカーやアンプの接続はAVアンプを利用しない限りなかなかやりにくい状況だったのですが、問題の一つが、この信号のHDMIへの一本化です。最近は居間への導入を意識したHDMI入力を備えた2chレシーバーもリリースされてはいますが、選択肢は限られますし、気に入った手持ちの機器をHDレコーダーなどに接続して使おうとするとそこにHDMI入力がないという問題が発生します。

 そこで便利なのが、HDMIから音声信号を分離してデジタル出力できる機器です。こちらについても主要なメーカーはHDMI入出力だけを利用した「行儀のよい」機器構成を望んでいるため、リリースするメーカーは限られます。さらに、出力が光のみという機器も多く、音質重視の場合に利用したい同軸デジタル出力が装備されている機器はごく限られます。

 HDMIから同軸デジタル音声信号を取り出すことのできる数少ない選択肢の一つがこちらのサンワダイレクト400-SW015です。



 4入力ー1出力のHDMI切り替え機なのですが、HDMI出力に加えて、光デジタルおよび同軸デジタルが装備されており、HDMIから入ってきた信号からデジタル音声を分離して取り出し再生することができるスプリッター機能を備えた便利な機器です。今回は居間のHDレコーダーの音声を今のサブの2chシステムで鳴らすためにこちらを購入しました。

 この機器は、発売がかなり古く、4K画像などには非対応ですので、AVマニアの方は選択対象外なのでしょうが、私は画質はさほど気にしないので、こちらの機種を選択しました。
 メリットとしては、デジタル音声出力がハイレゾ対応していることに加えて、実際ハイレゾで出力させた報告事例がネットに複数上がっているということがあります。
 HDMIは受信する相手の機器に合わせて送信する信号の規格を変化させるため、音源がハイレゾ対応でも、テレビのようなハイレゾ非対応機器に接続してしまうとダウンコンバートされてしまうことが一般的なようですが、この400-SW015についてはテレビと音源機器の間に挟んで使えばハイレゾ出力ができた報告があり、安心です。ただし、HDMIケーブルは古い規格のもを使用する必要があるようです。PS3を利用したSACDのリッピングは違法化されてしまいましたが、HDMI出力のあるSACDプレイヤーとこの機器を接続して再生し、同軸デジタルから出ているハイレゾ音声信号を録音すれば、合法的にSACDからハイレゾPCMのデジタルファイルを作ることができそうです。

 接続は

レコーダー
  ❘
 スプリッター400-SW015 - CDレシーバーCR-555
  ❘               ❘           
 テレビ           イクリプスTD307II    

という形で、CDレシーバーと400-SW015は同軸デジタルそれ以外はHDMIで接続されています。

 接続してみると、あっさりと音声出力が通りました。なお、私の環境ではテレビの音声とはタイミングにずれが出てしまうため、テレビの音量はゼロにする必要がありました。 

 これまでは、テレビから光ケーブルでCDレシーバーにつながっていたため、テレビを経由するルートで、レコーダーで再生するソフトの音をレシーバーから出すことはできたのですが、これをやると露骨に曇った音になってしまい、実用に耐えませんでした。
 今回のスプリッターを使った変更で同軸デジタル経由の音だしにしたところ、音質的にはほぼ問題はなくなりました。ナレーションなどの人の声がなぜだかマイクを通したような若干聞き取りにくい音になってしまうのですが、音楽については全く問題なく、なかなか良い音で鳴っています。

 レコーダーを使用するときに電源を入れる機器が増えてしまったことで家族には若干不評ではありますが、狙いはうまくいったと思います。


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2021年1月16日 (土)

ケーブルで音が変わる要素全体論

 ケーブルで音が変わる理由については以前にずらずらと考察を書いたのですが、議論するための入り口論というか、全体像をわかりやすく書いていないんじゃないかと思い、再度まとめてみることにしました。

 もちろんケーブルで音が変わるかどうか、変わる理由については「科学的」に考えていきます。ケーブルで音が変わる原因はケーブルの物性にあるわけですが、考えられる原因全体をまとめると次のようになります。

 

1.ケーブルの変更によってスピーカーからの音が変化する要因

 1-1.ケーブルの性状を原因とする変化

  1-1-1.ケーブルの電気的性質による音の変化

  1-1-2.電気的性質以外のケーブルの性状による音の変化

 1-2.ケーブル交換の前後でケーブル以外の要素が変動したことによる変化

2.人が感じる音が変化する要因

 2-1.耳に入ってくる(または体で感じる)音が変化する要素

 2-2.音を感じる心の変化によって音が変化する要素

  2-2-1.ケーブルに対するイメージによってケーブルの音質変化について思い込みが生じ、それによって音が違って聞こえる効果

  2-2-2.その時の気分の違いなど心理状態によって音が変わって聞こえる効果

 

 答えとしては、ケーブルで音が変わる主たる要因は1-1-2であるわけですが、それ以外を見ていきます。

先に2のほうから行きます。

2-1.耳に入ってくる(または体で感じる)音が変化する要素

 ケーブルを交換して戻ってきて比較試聴する場合は、普通にやると頭の位置を全く同じにすることはできません。そのため、スピーカーから出ている音が同一であったとしても、耳に入ってくる音は耳の位置の違いのために少しは違ってしまうことになります。また、体の姿勢が違うだけでも、音の反射の仕方が変わります。また、室温の違いがあれば、音波の速度が変化するために聞こえる音が変わる可能性が考えられます。そして、外からやってくる雑音もその時その時で間に変化しますので、これによっても耳に入ってくる音に影響し、音の違いとなりえます。

 この要素については、繰り返し試聴することで影響を緩和することができます。仮に比較するケーブルに音質差がない場合、期間を置いて再度比較試聴することを繰り返せば、音の違いはランダムになるため、ケーブルの優劣が毎回入れ替わることとなります。したがって、繰り返し比較試聴して差が感じられる場合は、この要素による音質の変化ではないこととなります。私の書いた試聴記ではhttp://community.phileweb.com/mypage/entry/3126/20130807/38546/があります。これは、アコースティックリバイブのラインケーブルを2週間借りて、その期間に数回比較試聴して書いたものですが、試聴を繰り返してもケーブルごとの音質傾向は変わりませんでした。また、比較したケーブルのうちカルダス・クライオ・アキュフェーズについては数年ぶりに引っ張り出したものでしたが、数年前に聴いたときと同じ印象でした。ネットを探すと、一通りいくつかのケーブルを聞いた後、最初のケーブルに戻してみるなど、慎重に行った比較試聴はいくつも見つかります。また、複数回比較試聴している記事の中には当初と2回目で評価が入れ替わっているケースもありますが、このような場合も多くは音質傾向としては同じ傾向を指摘しており、評価が変化しただけというケースであります。

したがって、この要素は音質変化にはほとんど影響していないと考えられます。

 

2-2-1.ケーブルに対するイメージによってケーブルの音質変化について思い込みが生じ、それによって音が違って聞こえる効果
 

 これはケーブルを変更してもスピーカーから出る音が変わらず、また、2-1のスピーカーから耳の間で起こる変化が無視できる場合、耳にはケーブル変更の前後で同じ音が入ってくることになります。この場合でも、心のありようの違いによって、異なる音と感じれれる場合がありえます。ケーブルによる音の違いに対する否定派がよく言う「心理効果」というものです。

 2-1については、理論的には確かに存在するものの、確かにその効果であるとわかるような試聴結果がない(試聴位置の微妙な違いなどはサイン波だったら検知できるのかもしれませんが)ので、常識的にはかなり効果は小さいものと考えてよいと思いますが、こちらの心理効果については確かにその影響と思われる事例があり、影響は確実に存在しています。

 根拠を一つ上げると、例えばこちらのブログです。

私は、電線の違いによる音の違いがあるという説は、今は全く信じていませんが、かつては常識として受け入れていました。
ですから、自分で電線を変えて音の違いを試聴した記録も残っているし、中途半端な価格のケーブル(コード)も未だに残っています。

電線による音の違いについては、落ち着いて考えてみて疑問を持ったので、説を信じなくなり、自分が使っている電線が何であるのかまったく気に留めなくなりました。
不思議なもので違いを気にしないと全く違わないように聞こえます。

 電線の違いによって音が違うと思っていた頃は電線による音の違いを感じていたが、その後、電線で音が変わるとは思わなくなると、電線による音の違いを感じなくなったと書かれていますので、これは思い込みによる心理効果によって、音の感じ方が影響を受けていた事例であると言えます。「気にしていた時は音が違い、気にしなくなったら音が違わない」のですから、2-1の効果はないかまたは微小である(あるいは、ケーブルによる音の変わり方とは別の変化として区別できている)と考えられます。このケースの場合、スピーカーから耳までの経路の影響による音の違いよりも心理効果の方がかなり強かったと言えます。なお、1の効果つまりスピーカーから出ている音が実際に変化したことを原因とする音の感じ方の違いは、この方の場合、心理効果によるものよりも小さいのでしょう。もちろんそれは、あくまでこの方のケースであるため、ケーブルの違いによって音が変化することを否定できるものではありません。

 この例のように思い込みによる心理効果によって音が違って聞こえる現象は確実に存在していますが、問題は、それでどこまで説明できるのかということです。様々な試聴結果を具体的に見ていくと、心理効果では説明しにくい現象が多く認められます。これらについてはこちらのエントリーで書きました。

ケーブルで音が変わる理由3 心理効果(プラシーボ)

 ケーブルの音質評価には、価格が高いケーブルほど良いとか、高純度銅などよさそうに思える材料を使っているケーブルが良いとか、電気的性質の良好なケーブルが良いといった心理効果で説明できそうな傾向が全く見受けられないのです。評論家などが絶賛することにより発生する集団ヒステリーで説明できるかもしれないという考えもあるかもしれませんが、オーディオ界に集団ヒストリーを起こさせるような強力なカリスマは見当たりません。そして、この種の心理効果による音質変化の主張を発信するもの中で、心理学に強そうな人間が言っているのを見たことがありません。これらのことから、思い込みによる心理効果の程度についてはあまり強力に考えられるものではありません。

 

2-2-2.その時の気分の違いなど心理状態によって音が変わって聞こえる効果

 心理に起因する音質の感じ方の変化としては、思い込みによるもののほか、体調の違いや気分の違いによるものがありますが、これらはケーブル交換の前後で急に変動するものでありません。また、2-1と同様に期間をおいて繰り返し試聴することにより影響が緩和されるものでもあります。したがってこの効果のケーブル音質変化に対する支配力もごく限られたものとなるでしょう。

 

 

 以上、スピーカーから出ている音が変わらないにもかかわらず音が変わって聞こえる要素について、見てきましたが、思い込みによる変化が比較的影響力として強いものの、ケーブルによる音質変化の多くを説明できるものではなく、ケーブルの種類によって音が変わる主たる要因とは言えません。

 

 それでは次に、スピーカーからの音が実際に代わる方の要素について、見ていきます。まずはケーブルとは関係ない要素です。

1-2.ケーブル交換の前後でケーブル以外の要素が変動したことによる変化

 より具体的には、ケーブル交換前後で

① 電源からやってくる電気的ノイズが変動した。
② 外部からオーディオ機器に飛び込んでくる電磁波が変化した。
③ 外部からの振動が変化した。
④ オーディオ機器がウォームアップしたことにより、音が変わった。
⑤ ケーブルを差し直したことにより接点の状態が変化し、その結果音が変わった。

といったような変化です。これらについては、確かにスピーカーから出る音自体が変化している訳ですが、ケーブルと関係がないところでの音質変化です。これをケーブルによる音の変化と誤認する効果はどのくらいあるでしょうか。

 ①②③はケーブルの交換と関係なくランダムに発生する音の変化です。このようなランダムに発生する音の変化については繰り返し書いていますが、比較試聴を複数回慎重に行うことにより、排除することが出来ます。試聴記を探すと、たとえばAとBのケーブルを比較した場合、はじめはAがよいと思ったが、後日よく聞くとBの方がよかったというブレ方をしているものはままあるのですが、AになったりBになったりといったものは皆無(そういった結果は記事にしにくいということもありましょうが)です。したがってこの①②③のような要因はケーブルの音質比較には影響していないと考えられます。

 ④のウォームアップの影響については、確かにあると考えますが、一通り比較試聴したあと、2巡目の試聴を行っていれば問題ないため、ケーブルの音質評価を乱す要因としては小さいと考えられます。

 ⑤の接点変化による効果については、試聴記を見ることがあります。ケーブルを差し替えて変更すると、音がよくなって聞こえるが、同じケーブルを差してもやはりよくなったように思えるといったものです。従って、影響力はあるといえます。ある程度の期間接続しっぱなしで使っていたケーブルを入れ替えた場合は、ケーブルの評価を特定の方向へ誘導する恐れがあるでしょう。しかし、一度ケーブルを換えた後、短時間(期間)にケーブル変更を繰り返すような場合は、2回目以降の交換による音質変化への影響はランダムに生じるはずでありますので、初回交換以外は①②③と同様となり、データとして試聴記を採用する際に注意すれば特に影響はないといえます。

 

 最後に本丸である1-1ケーブルの性状を原因とする変化です。

 これまでは、ケーブルを原因としない音質変化をケーブルによる音質変化と誤認する可能性について、見てきましたが、いずれもケーブルによって音が変わることを説明する支配的な要因は見出せませんでした。したがって、ケーブルによってオーディオの音が変化する主たる原因はケーブル自体の性状にあると言えます。

そこで、1-1-1.ケーブルの電気的性質による音の変化 であるわけですが、こちらについては、

 

 

 という2つの記事で書きました。いわゆる「変わる派」の方はこのようなケーブルの電気的性質によって音が変化するという主張をされる向きもありますが、予想される効果は小さく、苦しい主張と言わざるえません。特に絶望的なのは電源ケーブルで、電源ケーブルの電気的性質によって音が変わる仕組みのまともな説明を見たことがありません。この点についてはいわゆる「変わらない派」が正しいのです。「変わらない派」の間違いは、ケーブルの電気的性質で音が変わらないからといって、音が変わる原因を心理効果等にすべて押し付けているとことにあります。

 ということで、ケーブルによって音が変わる原因は

1-1-2.電気的性質以外のケーブルの性状による音の変化

というところに求められることとなります。

  このことの内容については以下の記事に書きました。

 

 

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2020年11月19日 (木)

シールドメッシュの見た目改善

 私のオーディオPCにおいては音楽CDから作成するCDイメージファイルを収納する場所としてRAMディスクANS-9010Bを使用しています。


 この製品はファイルベイに組み込んで使用する想定のため、天板が省略されており、私のように外付けで使う場合はノーシールドとなります。そこで、私はこの製品の上にシールドメッシュを被せて使用していました。

 書店で売られている組み立ておもちゃのLaQにより柱を4か所立ち上げ、そこにシールドメッシュを被せています。金属製の蓋などでは不要振動を励起する懸念があると考えたので、このような構造としました。

 ただ、この状態だと写真の通り見た目が結構悪いのに加え、シールドメッシュがバランスを崩して基板上に落下してしまう事故の危険も大きいため、改善を試みました。

 今までLaQは黒一色でしたが、デザインセンスがないなりに考えて、白いものを追加購入し、白黒交互にしてみました。そして、シールドメッシュが落ちにくい形状に作ってみました。




 左右連結してしまうと、振動的にどうか?とうい心配もあったものの安定性を考えてみました。一応、試聴したところ、処方前後で音質変化は感じれらず、心配していた音質劣化はないようです。

 自分としては以前よりもかっこよくなったと思いますがどうでしょうか。当分これで行こうと思います。

 

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2020年10月27日 (火)

ダイアトーンのカーステレオ導入

 カーステレオを換えました。というか車を買い換えたんですが・・。

まあ、車の方は、新車にはなったものの、予算とかほしい形とか考えてたらちょっとグレードダウンしちゃった感じなので、満足度がそれほどでもなかったりします。燃費はよくなりましたけどね。最近の車は自動ブレーキやらが標準装備になって高くなった。10年前の1.5倍くらいになった感じがします。
カーステレオは今まで使っていたものは音が非常に悪かったので、使い回さずに普通に新しくつけました。(まあ、それが普通なのですが)

今まで使っていたカーステレオはkenwoodの最安のやつでこのような製品です。

Photo_20200929133101

 私が使っていたものはより古い型なので同じではないのですが、似たような形をしています。会社の車にも似た製品がついている車があります。購入したのは7年ほど前になります。はじめは自動車メーカーの純正品を使用していたのですが、USB端子がなく、iPodが接続できないため、買い換えたものです。

 

 これまではずっと車についてきた純正品をそのまま使っていましたが、音が悪いカーステレオに出会ったことがありませんでした。それで、カーステレオのiPod対応化にあたり、一番安いやつでいいか?と購入し取り付けたのが上記製品だったというわけです。

 取り付け後、使い方はそう難しくなく、すぐにiPodが使えました。iPod classic2006年製、iPod touch初代、iPod touch5とも正常動作しました。その後、iPhone6も動作確認しました。USBメモリも再生できますが、対応ファイルはmp3などの圧縮ファイルのみであり、WAVなどは非対応でした。

 カーステレオの表示画面がローマ字のみのため、カーステレオ側の操作はかなり使いにくく、iPod側での操作が便利でした。iPod classicはiPod側での操作が不可のため、カーステレオ側で操作することとなり、プレイリストの選択などはかなり使いにくい状態でした。

(なお、接続前にiPod classicでプレイリストを選択しておいて再生を開始してから接続することにより、そのプレイリスト内のみの再生・操作にできる裏技(?)がわかったのでより便利なこちらの使い方を指定ました。)

 そういった使い勝手はさておき、iPodを接続して、初めて音を聞いたときは衝撃を受けました。

 

 うげ、ひでえ

 

 歪んだ耳につく高音、ボリュームだけ大きく締まりのないボンついた低音。最安の製品とはいえ、ここまで音が悪いとは・・。家族からは外にズンズン聞こえてヤン車のようだとの感想・・・

 

 設定を確認すると、トーンコントロールでドンシャリ気味になっていたので、フラットなすっぴん設定に変更した。多少はマシになるものの大した変化はなく、そのまま劣悪な音質と付き合うことになってしまった。

 1年半くらいはエージングによって音質が向上してくるのは実感はできた。スピーカー以外でエージングを実感したのは初めて。アンプやCDプレーヤにもエージングがあることが確認できたことは収穫だったといえるかもしれない。しかしそれでも、音質がかなり悪いことに代わりはなく、ドライブ中の音楽鑑賞は残念な状態が続いてしまいました。

 

 ということで、今年、ようやくカーステレオの全面交換となりました。というか、本当は自動車を買い換えたのでありますが・・、車種自体は前のっていた車からはグレードダウンしているので、新品購入した喜びは、ほとんどカーステレオになるので、このタイトルにしました。

 取り付けたカーステレオはダイアトーンのこちらのダイアトーンNR-MZ300-BIN-3になります。

 Img_33971 Img_33231

写真が下手くそだ・・・

 

 機能的には、CD、DVDビデオ、AUX、SDカード、地上波フルセグおよびワンセグTV、FMAMラジオ、Bluetooth、USB端子に接続したUSBメモリ内の音声や動画、USB端子にiPod等携帯音楽プレーヤーを接続し音楽やpodcastの再生、USB経由でiPhone・iPodtouchのコントロールに対応しています。iPhoneのUSB接続時はハンズフリーで電話やLINEが使えます。

 USBメモリやSDカードからの音声の再生ではMP3、WMA,AAC,WAV,FLACが再生可能であり、24/192までハイレゾファイルにも対応しているところはありがたい特長です。ただし2chのみでマルチチャンネルには対応していません(まあ、マルチチャンネルの音声データはあまり出回っていませんので対応していたとしても出番は少なそうですが)。USBメモリ、SDカードの動画ファイルも再生できます。CDのインポートができますが、ファイル形式は128kbpsのAACのみであり、WAVなどを使いたい場合は別途リッピングしてくる必要があります。利便性よりも音質を売りにしたブランドなので、ここは無圧縮も選択できるようにしてほしいところです。動画再生は5.1chの音声が再生できます。なかなか広がりのある再生で、画面外から音が聞こえてくる感じがします。

 各機能の動作を確認した後、動作に不安のある2006年製の古いiPod Classicを使ってみました。この古い機種だとコマンドがうまく適合せず、次の曲に進むボタンやも戻るボタンは効かず、プレイリストの変更の出来ません。接続時に選択されていたプレイリストのみの再生になります。画面で曲を選択すれば曲を変えられますが、別のプレイリストの曲を選択しても、曲番号だけが送られるらしく、例えば別のプレイリストの3曲目を選択しても、もともと再生していたプレイリストの3曲目が再生されるといった具合でした。かなり不便ではあるものの、再生不可でも仕方のない古い機種なので、再生できただけでも良かったと思います。

 肝心の音の方は、さすがにkenwoodの最安品に比べれば格段に歪の少ない、美しい音を鳴らしてくれました。以前のカーステレオは長時間聞いていると聞き疲れてつらかったのですが、こちらは高解像度かつ深みがあり、長く聞いていられます。もともスピーカーも変わっているのでその違いもあるに違いないわけですが、以前の車でも、純正カーステレオがった時には特に音が悪くなかったため、プレーヤー・アンプ部分の違いが大きいと思います。

 今どきのカーステレオに求められる利便性は最大限に備えつつ、ハイレゾ対応というピュアオーディオファンにも配慮した製品となっており、ブランドイメージに挟和紙く、ハイレゾ対応が意味を持つだけの音質ではあります。自宅のYoshii9を中心としたシステムと比べてしまうと、歪みなしとはいかず、多少不完全な再生であることはわかってしまいますが、ドライブ中の音楽ならば十分と思えます。ようやくまともなドライブ環境が帰ってきました。

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2019年10月 3日 (木)

スピーカーケーブルの抵抗はどこまで上げてよいか?

 これまで、オーディオシステムにおいてケーブルの選択によって音が変わる理由や高音質ケーブルの条件について考えてきました。その結果、ケーブルで音が変わる主たる原因は縦振動であるというタイムドメイン由井社長の主張が確認できました。そして、高音質ケーブルの条件としては、振動を伝えないために「柔らかいこと」が最も重要な条件であるらしいことがわかりました。由井社長はケーブルは細ければ細いほどよいとしていますが、ケーブルの太さと音質だけを見ると、必ずしも細いものほど高音質とは限らないように思えますが、振動の伝わり方は細さだけでは決定しないことによるのでしょう。細く作ったほうが柔らかくなりやすく、類似の材料と構造で作られているば、細いケーブルのほうが柔らかくなり、音質上は有利になると思われます。

 ところで、オーディオファンならば常識ですが、アンプの制動力を示すダンピングファクター(DF)という指標があります。これはご存知の通り、DF=(スピーカーのインピーダンス)/(アンプの内部インピーダンス)+(スピーカーケーブルのインピーダンス)で表され、大きいほど制動力があり、小さすぎると余計な余韻が付いたたるんだ音となります。

 DFと音質の関係として、よく引用されるものは下記のものです。
Dfctorgh

 ダンピングファクターと周波数特性の変化

出典: 「強くなる!スピーカ&エンクロージャー百科」誠文堂(1980) P38

 この図を見ると、DFが3を超えると変化が小さくなり、10以上ではDFの違いによる音質変化が極めて小さくなることが推測できます。このため、DFは20もあれば十分などと言われてきました。

 ここで、たとえばスピーカーのインピーダンスを8Ω、スピーカーケーブルのインピーダンスを0.03Ωとしたときに、DF>20とするためには内部インピーダンス0.37Ω以下(カタログ上DF>21.6)のアンプを用意すればよいこととなります。トランジスタアンプならばこの程度の製品はたくさんあるでしょう。スピーカーケーブルは太めで抵抗(電線ならば直流抵抗≒インピーダンス)が小さいものを選べば0.03Ω未満程度なら簡単に実現できます。この場合スピーカーケーブルの抵抗の影響は極わずかです。また、さらに抵抗の小さいスピーカーケーブルを使ったところでDFが(スピーカーのインピーダンス)/(アンプの内部インピーダンス)の数値に近いていくだけです。そのため、さらに低い抵抗のスピーカーケーブルを使う意味はなく、ケーブルの抵抗を気にする必要はないといえます。

 ところが、ケーブルが細いほうが音質上有利であるという話になってしまうと、状況が変わってしまいます。細いスピーカーケーブルは電気抵抗がそれなりに存在し、DFを下げる要因となるため、DFはどこまで下げてもよいか、下限を見極める必要が出てきます。

 例によってタイムドメイン由井社長の発言から拾うと、スピーカーケーブルの抵抗値は1Ω程度以下を目安とすると述べていますhttps://www.facebook.com/timedomain/photos/a.119482074850606/691913014274173/?type=3&theater 。(同時に抵抗をめちゃくちゃ下げるのは無意味としています)

 タイムドメインの製品で見るとYoshii9のスピーカーケーブルは0.2sqのライカル線であり、標準では延長が約3mです。往復6mならば抵抗は0.56Ωとなり、1Ωの目安に対して多少の余裕があるようです。また、ライカル線にはさらに細い0.1sqの製品がありますが、こちらを往復で6m使用すると1.12Ωとなり、1Ω以上となるため、0.2sqを採用したのかもしれません。ただし、電気抵抗ではなく断線しにくいための強度を考慮して0.1sqではなく0.2sqを選定したということも考えられますので、1.12Ωという電気抵抗値を高すぎると判断したとは言い切れません。

 この0.2sqのライカル線ですが、標準で採用されているYoshii9の試聴記や数は少ないものの他のシステムに組み込んで使用しているブログ等を見る限り、ダンピングファクター不足と思われる症状は出ていないようです。私もYoshii9のほか、イクリプス307を使ったサブシステムにも0.2sqライカル線を片道2mほどで使用していますが、とくに支障は感じません。

 そこで、このライカル線と同程度以上の抵抗を持つスピーカーケーブルを使った試聴記をいろいろと調べてみたいところではありますが、スピーカーケーブルとして一般に使用されている電線はより太く電気抵抗が低いものが大半であり、通常の長さで1Ω付近やそれ以上の抵抗となるものがなかなかありません。極細のスピーカーケーブルを使用してみたとする記録でも、ライカル線よりも太いものが多く、あまり参考になりませんでした。ただし、ライカル線よりも太いものの、一般的なスピーカーケーブルからみれば極細の部類に入るものを利用しても、音質的には向上したという趣旨ものもが多く、また、明確にダンピングファクター不足が生じたという事例は皆無であることから、幅広いシステム構成においても、ライカル線以下の抵抗値のスピーカーケーブルであれば支障がなさそうだということがわかります。

 長尺のスピーカーケーブルを使えば、高い抵抗値でどうなるのかを試すことができますが、これについても家庭のオーディオでは必要にならないため、事例があまりありません。唯一まとまった量の試聴結果がみられるのが、プロケーブルの「音の焦点合わせ」です。まあ、これとても、「解像度を上げると音がキン付き、スピーカーケーブルを伸ばして音を緩め調整しなければキツくて聞けない」という症状が発生するシステムのデータしかないので(なお私としてはこのような調整が不要であるシステムがオーディオシステムとして正しいものであると考えています。)、どのくらい使えるデータなのかという疑問は残ります。それでも実施結果をまとめてみると(https://star.ap.teacup.com/teoclete/179.htmlに一覧表がまとめられています)。チャイムコードでは往復抵抗値が1Ωになるのが15m程度、VVF1.6だと50m程度となることから、抵抗値が1Ω前後以上のところで調整しているように見受けられ、ダンピングファクターの低下によって音質が大きくなり始めるところがスピーカーケーブルの抵抗1Ωあたりなのではないかと推測できます。

 極細スピーカーケーブルの有用な試験となるとやはりたくぼんさんのブログに依存となってしまします。

スピーカーケーブルの考察

http://tackbon.ldblog.jp/archives/51548173.html

これによると、1Ω以下のケーブルは抵抗が大きいことによる不具合は出ていませんが、6.4Ω/5mの電話線、16.9Ω/5mのRSCB芯線では「音が劣化してエコーがかかったようになった」と述べています。

 

 Yoshii9使用だと、このような記録もありました。

Timedomain yoshii9用超極細自作スピーカーケーブル(0.025mm(25μm))

 この事例だと、0.025mm(25μm)のスピーカーケーブルをYoshii9に取り付けています。これだと抵抗は数十Ωになっているように思いますが、非常にクリアな音になったとしています。こちらはどう考えればよいのか、悩みます。

 まとめるとスピーカーケーブルの抵抗は1Ω以下であれば問題はなく、1Ωをいくらか超えても良さそうではあります。

 スピーカーケーブルの抵抗が1Ωならばスピーカーが8Ωのとき、DFは最大で8に制限されることとなります。そこからさらにアンプの内部インピーダンスによってDFがさらに低下することや、スピーカーケーブルの抵抗が1Ωを多少超えても大丈夫だということを考えると、DFの必要最低値は8よりもかなり下にありそうに思えます。ダンピングファクターと周波数特性の変化の図ではDFが1以下では音の劣化がありそうなのでDFの必要最低値は2~4あたりではないかと思えます。


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2019年3月10日 (日)

高音質ケーブルの条件2

 縦振動(音波)を伝えにくいケーブルがオーディオ用として高音質のケーブルであるということで、そのように縦振動(音波)を伝えにくいケーブルとはどのようなケーブルなのか、いくつかの物質の振動の伝わり方(音波速度)を調べてみました
 その結果、物質の代表的な音波速度だけでは、決め手にはならないように思えました。ただし、音波速度がケーブルの音質に対する重要なファクターであることは本当らしいという傾向は認められたと思います(例えば、アルミを導体としたケーブルは音質評価が悪いことや絶縁体ではテフロンがPVCよりも高音質材料とされていることなどが説明できる)。

 銅などの性質からたどる方法は限界になったため、別の方法を考えます。そこで、細い線状の固体を通して音波を伝える道具である「糸電話」を取り上げます。音の良いオーディオ用ケーブルとは、縦振動(音波)を伝えにくいケーブルであり、糸電話の糸としては性能の悪いケーブルであると考えられます。

 糸電話の糸について調べて見ます。

 糸電話の研究についてはいくつか見つかれるのですが、やはり教育目的の実験や小中学生の自由研究のようなものがどうしても多くなります。


・糸電話について、調べてわかった参考になりそうな項目です。

 多くの資料に書かれていることとしては、以下のものがあります。(たとえば、https://dramacontents.com/archives/1489など)

・音を媒介する振動は主として縦振動である。
・低音は高音よりも減衰しやすい。
・糸電話は糸の長さが100m以上でも聞こえる
・細くてしなやかな材料が良い
・太い糸は低音を伝えやすく、細い糸は高音を伝えやすい
・ゴムを使うとあまり聞こえない
・細い方が遠くても聞こえやすい、しかし、いろいろな実験結果を見ると太さを変えてもさほど変わらないとか、まれに、太めの方がよく聞こえたというものもある。
・針金を糸の代わりに使うとエコーがかかって聞こえる
・針金をばねにするともっとエコーがかかって聞こえる
・しっかり糸を張ると振動がよく伝わり、良く聞こえる。糸がたるむと聞こえない。針金の場合多少曲がっても聞こえる。

こちらも小学生の研究ですが、小学生とは思えないほどよく書けています。
https://www.city.chiba.jp/kyoiku/gakkokyoiku/kyoikushido/documents/14oto.pdf
固い材料の方が減衰が小さい
糸の代わりに針金を使うと非常に減衰が少ない
細くて固い針金と太くて柔らかい針金を比較すると前者の方が音がよく伝わった。絹糸、水糸などでは太さを変えても音の伝わり方は変わらなかった。

ゴムを糸の代わりに使った場合一応音は伝わるが小さい。引っ張るとゴムが変位しなくなるため、もっと聞こえなくなる。
(file://kjd-prof/redirect/t-mura/Downloads/kojinkasei13-20.pdf)

針金を使った糸電話の場合、たるんでいても音が伝わる。(たるんだ状態の)細い針金では音が伝わらず、太い針金ならば聞こえやすくなる。
(https://www.kitashirakawa.jp/yama-blog/?p=6257)

 こんなところで、なかなか明快な情報はありませんが分かること、考えられることをまとめると、

 ケーブル状の形状をした比較的固さのあるもの(針金のほか、しっかり張った糸を含む)は振動の減衰が少ない。そのため、ケーブルを伝わる振動は減衰しにくい。

 糸電話に使う糸の太さと音の伝わり方の関係は明快ではありませんが、http://kozu-osaka.jp/cms/wp-content/uploads/2017/08/2013020.pdf(糸の本数を増やして実験)をみると、糸が太い場合に聞こえにくくなるケースは、振動が拡散して不明瞭になることが原因ではないかと思いました。もしかして、波長の長い低音の場合は糸が太くても不明瞭になりにくいのでしょうか?総合的にみると、同じ材料で同じ状態であれば、伝わる振動の大きさ自体は太い糸の方が大きいように思えます。 

 太くても柔らかいものは音を伝えにくい。

 針金を使うとエコーがかかる理由については、針金は振動の減衰が小さいことを原因に挙げる見解が多いようです。これについては針金と紙コップの底という二つの物質の音響インピーダンスの違いが大きいために反射しやすいという原因もあると思います。


 以上のことから、高音質ケーブルの条件について考えます。縦振動を伝えにくいケーブルがオーディオ用として高音質のケーブルであるという仮説から考えると「柔らかい」という性質が有利に働くと思われます。太さについては明瞭ではないが、細い方が振動が伝わる量としては少ないようであり、オーディオ用ケーブルは太さが細い方が有利と考えます。金属線については柔らかくなる傾向にあることも併せて考えると、細い方が望ましい可能性が高いが、柔らかさがより優先度の高い事項ではないかと思います。


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2019年2月26日 (火)

ケーブルの絶縁体

 前回、高音質ケーブルの条件を検討するために重要と思われる固体を伝わる縦振動(縦波音波)速度について調べました

 その直後に平蔵さんのケーブル絶縁体に関する記事が出ました。アコースティックリバイブ石黒社長からのコメントによると、ケーブルの絶縁体は音質的に

PVC < ポリエチレン < テフロン 

とのことです。

その理由として、誘電率の違いを挙げています。

石黒社長のコメントによるとそれぞれの誘電率は

PVC:5.6
ポリエチレン:2.4
テフロン:2.2

とのことです。

 テフロンは誘電率が低いために音質が良いということ(他に誘電正接なるものもあると書いていります)であり、定性的には低い誘電率が信号伝送上有利であることは間違いありませんが、音質上の影響程度については私は疑問を持っています。

 そこで、ふと思ったのが、この音質差が縦振動(縦波音波)の伝わり方によっているのでないかと思いました。

 前回調べたいろいろな物質の縦振動(縦波音波)速度の数字のうち、ケーブル絶縁体に使用するものを拾ってみると、


シリコーンゴム 1,000m/s
テフロン 1,520m/s
低密度ポリエチレン 2,080m/s
ポリ塩化ビニル(PVC 2,395m/s


(ポリエチレンには高密度というものもありますが、電線の被覆はこちらのようです)

ここで、数字を見るとテフロンがポリエチレンやPVCよりも速度が低く、このことがテフロンの高音質につながっているのではないかと見ることが可能です。

ところでシリコーンゴムであれば音波速度がさらに低く、より高音質の材料ではないかとも考えられます。(オーディオ用電線としては、ライカル線しか製品を知りませんが)シリコーンゴムの誘電率をこちらでみてみると60Hz:2.7~4.2、MHz:2.6~2.7となっており、ポリエチレンよりも高いようですので、シリコーンゴムを絶縁体に使用したケーブルがどうなのか知ることができれば、より、音質に影響する要素が見えてくるのではないかと思います。


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