オーディオにおいて、ケーブルの交換によって音が変わる大きな原因は、ケーブルを伝わる縦振動(音波)がケーブルの種類によって変化することであると考えています。振動の発生源としてはコンデンサーやコイル、発振器が電圧によって振動することが考えられ、また、ケーブルを伝わった振動が音に影響する機構としてはコンデンサーやコイル、発振器が振動によって発電することが考えられます。
電気的な性質以外でケーブルによって音が変わる理由としてはこれで十分に説明できると思いますが、さらに、ケーブル内では振動(音波・圧力)と電圧を変換する現象は起きているのかどうか、妄想していきたいと思います。
論点としては
1.電圧によってケーブルが振動するか?
2.ケーブルの振動によって起電力が生じるか?
という2点となります。
今回は1の電圧によるケーブルの振動についてどうなのか考え(妄想し)ます。
電圧によるケーブルの振動について、横振動に関しては地磁気と電流がフレミングの法則によって発生させる力や2線間の静電気力による力が考えられます。これらについてはどう計算しても振動させようとする力がケーブルの重さに対してあまりにも小さすぎるため全く問題とならないようです。
縦振動に関しては、ケーブルを構成している内部の原子が動けばよいので、横振動に比べてそのハードルは低いと思います。
圧電性(結晶構造に由来して、圧力をかけると電圧を生じる、また電圧をかけると圧力を生じる現象)は、導体を構成する金・銀・銅にはない。皮膜についてはポリ塩化ビニルについては多少の圧電性を示すことが確認でましたが、それ以外の皮膜材料については確認できず。少なくとも圧電材料として有用となるほどの物質は皮膜として使用されていないようです。
導線を構成するイオンが電圧によって運動し、縦振動を起こすかどうかについても考えます。先に、自由電子について調べると、動作している電子回路内の自由電子移動速度(平均速度)は数mm/sらしい。すると、電子の約12万倍の質量を有し、しかも結晶格子に拘束されている銅イオンの価数を1として自由電子と同じ力を受けるとすれば、その移動速度は数nm/s・・・か?
とまあこんなことを考えまして、どうやら電圧によってケーブルが振動することはなさそうな気がしては来るのですが、物理学に明るいわけではない私がこんな手法であれこれ言及しても、どこか間違えていそうです。そこで、方向を変えてさらに考えます。
今度は、電圧によって振動している電線が観察できるかということを考えてみます。電圧で電線が振動しているなら、電線から電圧の周波数の音が聞こえそうに思えます。鉄塔の上には高圧線が走っています。鉄塔から音が聞こえてくる現象はあるもの、チリなどの付着による放電によるチリチリ音であり、50Hzや60Hzの音ではありません。鉄塔でのかかっている高圧線ではあまり近くによることができませんが、6600Vならば電柱の上を通っているので、数mのところで音を聞くことができます。さらに、電線の地中化がなされている地区であれば、電力の地上器の近くに行けば、6600Vが間近に通ってているはずです。しかし、地上器に近づいても50Hz/60Hzの音は聞こえてきません。
このように考えてくると、電圧いよってケーブルが振動する現象はないのだろうと考えています。
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