南川高志・「新・ローマ帝国衰亡記史」

画像は岩波書店のサイトより
歴史学者南川氏によるローマ帝国衰退の歴史をまとめた新書。ライン川、ドナウ川北方の諸民族との関連を中心に描かれている。最盛期のローマ帝国北縁の辺境地帯は、明確な国境がなく、周辺諸部族の出身者もローマ市民として寛容に受け入れていたとのことである。ローマ帝国社会が変質していった結果として、周辺諸民族との関係が変化し、帝国は自壊したとする。西ローマはこの傾向が強かったことと、歴史的な経緯により皇帝権力が東ローマ弱かったことにより早期に滅亡したと述べられている。
歴史に関する書籍の常として人物名が多く読むのがなかなか大変ではあるが、生き生きと描かれていおり、読みやすく仕上がっている。引用文献が省略されているため、どの部分が著者独自の見解なのかがわかりにくいが、筆者の歴史像はよく理解出来、面白く読ませていただいた。
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