超巨大噴火と生命進化
国立科学博物館において2016年~2021年に実施されたプロジェクト研究「化学層序と年代測定に基づく地球史・生命史の解析」の内容の一部分を一般向けに新書化した書籍です。
地球史の中で5回起こった生物の大量絶滅の原因を中心に解説しており、巨大噴火の寄与について、論じられています。最近の研究成果に基づいて、一般読者にもわかるように書かれています。日本の新書のありがたいところです。

画像はアマゾンより拝借
著者である佐野氏は火成岩岩石学の専門家です。特にLIP(巨大火成岩岩石区)について研究を行っており、海洋地域のLIP(海台)であるシャツキーライズやオントンジャワ海台について多くの論文を発表しています。
本書の内容は古環境学や古生物学の成果が中心ですが、佐野氏はこれらの専門家ではありません。最近の研究成果の紹介としては十分すぎる内容だと思いますが、複数の仮説を淡々と紹介した淡泊な記述となるきらいがあり、もう一つのめりこめない感じがありました。大量絶滅の原因はまだわからないことが多く、断定的には書けないためにやむを得ないとは思います。しかし、古環境や古生物の専門家であれば「断定できないが私はこうだと思う」的な書き方ができて、もっと読みやすくなった可能性はあると思います。共著にはできなかったのでしょうか。
この分野に強い関心がある高校生・大学生・一般人や周辺分野の専門家にはお勧めでしょうが、一般教養として読みたい向きにはもう一つかもしれません。佐野氏は2015年にLIPについての一般書、「地球を突き動かす超巨大火山 : 新しい「地球学」入門」を書いていますが、本書に書かれているような最新知見を盛り込んだ、LIPについての解説を中心とした新書を個人的には期待します。
←よろしければ応援クリックをお願いします。
人気ブログランキングへ
←PCオーディオブログ村もお願いします。
にほんブログ村![]()
にほんブログ村←公務員試験に役立つブログが多数参加
« 選挙予想 | トップページ | 高市政権発足から約半年 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 南川高志・「新・ローマ帝国衰亡記史」(2026.05.07)
- 超巨大噴火と生命進化(2026.03.01)
- 司馬炎ー三国志を終わらせた男 塚本靑史(2025.11.18)
- 荒牧 重雄 著「噴火した!: 火山の現場で考えたこと」(2025.05.18)
- 日本国憲法無効宣言(2025.10.23)
「地質」カテゴリの記事
- 超巨大噴火と生命進化(2026.03.01)
- 荒牧 重雄 著「噴火した!: 火山の現場で考えたこと」(2025.05.18)
- 火成岩の分類(2025.12.02)
- アーサーホームズ「一般地質学」(2024.06.30)
- 初めて出会う岩石学 ー火成岩岩石学への招待ー(2025.04.13)


コメント