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2021年1月16日 (土)

ケーブルで音が変わる要素全体論

 ケーブルで音が変わる理由については以前にずらずらと考察を書いたのですが、議論するための入り口論というか、全体像をわかりやすく書いていないんじゃないかと思い、再度まとめてみることにしました。

 もちろんケーブルで音が変わるかどうか、変わる理由については「科学的」に考えていきます。ケーブルで音が変わる原因はケーブルの物性にあるわけですが、考えられる原因全体をまとめると次のようになります。

 

1.ケーブルの変更によってスピーカーからの音が変化する要因

 1-1.ケーブルの性状を原因とする変化

  1-1-1.ケーブルの電気的性質による音の変化

  1-1-2.電気的性質以外のケーブルの性状による音の変化

 1-2.ケーブル交換の前後でケーブル以外の要素が変動したことによる変化

2.人が感じる音が変化する要因

 2-1.耳に入ってくる(または体で感じる)音が変化する要素

 2-2.音を感じる心の変化によって音が変化する要素

  2-2-1.ケーブルに対するイメージによってケーブルの音質変化について思い込みが生じ、それによって音が違って聞こえる効果

  2-2-2.その時の気分の違いなど心理状態によって音が変わって聞こえる効果

 

 答えとしては、ケーブルで音が変わる主たる要因は1-1-2であるわけですが、それ以外を見ていきます。

先に2のほうから行きます。

2-1.耳に入ってくる(または体で感じる)音が変化する要素

 ケーブルを交換して戻ってきて比較試聴する場合は、普通にやると頭の位置を全く同じにすることはできません。そのため、スピーカーから出ている音が同一であったとしても、耳に入ってくる音は耳の位置の違いのために少しは違ってしまうことになります。また、体の姿勢が違うだけでも、音の反射の仕方が変わります。また、室温の違いがあれば、音波の速度が変化するために聞こえる音が変わる可能性が考えられます。そして、外からやってくる雑音もその時その時で間に変化しますので、これによっても耳に入ってくる音に影響し、音の違いとなりえます。

 この要素については、繰り返し試聴することで影響を緩和することができます。仮に比較するケーブルに音質差がない場合、期間を置いて再度比較試聴することを繰り返せば、音の違いはランダムになるため、ケーブルの優劣が毎回入れ替わることとなります。したがって、繰り返し比較試聴して差が感じられる場合は、この要素による音質の変化ではないこととなります。私の書いた試聴記ではhttp://community.phileweb.com/mypage/entry/3126/20130807/38546/があります。これは、アコースティックリバイブのラインケーブルを2週間借りて、その期間に数回比較試聴して書いたものですが、試聴を繰り返してもケーブルごとの音質傾向は変わりませんでした。また、比較したケーブルのうちカルダス・クライオ・アキュフェーズについては数年ぶりに引っ張り出したものでしたが、数年前に聴いたときと同じ印象でした。ネットを探すと、一通りいくつかのケーブルを聞いた後、最初のケーブルに戻してみるなど、慎重に行った比較試聴はいくつも見つかります。また、複数回比較試聴している記事の中には当初と2回目で評価が入れ替わっているケースもありますが、このような場合も多くは音質傾向としては同じ傾向を指摘しており、評価が変化しただけというケースであります。

したがって、この要素は音質変化にはほとんど影響していないと考えられます。

 

2-2-1.ケーブルに対するイメージによってケーブルの音質変化について思い込みが生じ、それによって音が違って聞こえる効果
 

 これはケーブルを変更してもスピーカーから出る音が変わらず、また、2-1のスピーカーから耳の間で起こる変化が無視できる場合、耳にはケーブル変更の前後で同じ音が入ってくることになります。この場合でも、心のありようの違いによって、異なる音と感じられる場合がありえます。ケーブルによる音の違いに対する否定派がよく言う「心理効果」というものです。

 2-1については、理論的には確かに存在するものの、確かにその効果であるとわかるような試聴結果がない(試聴位置の微妙な違いなどはサイン波だったら検知できるのかもしれませんが)ので、常識的にはかなり効果は小さいものと考えてよいと思いますが、こちらの心理効果については確かにその影響と思われる事例があり、影響は確実に存在しています。

 根拠を一つ上げると、例えばこちらのブログです。

私は、電線の違いによる音の違いがあるという説は、今は全く信じていませんが、かつては常識として受け入れていました。
ですから、自分で電線を変えて音の違いを試聴した記録も残っているし、中途半端な価格のケーブル(コード)も未だに残っています。

電線による音の違いについては、落ち着いて考えてみて疑問を持ったので、説を信じなくなり、自分が使っている電線が何であるのかまったく気に留めなくなりました。
不思議なもので違いを気にしないと全く違わないように聞こえます。

 電線の違いによって音が違うと思っていた頃は電線による音の違いを感じていたが、その後、電線で音が変わるとは思わなくなると、電線による音の違いを感じなくなったと書かれていますので、これは思い込みによる心理効果によって、音の感じ方が影響を受けていた事例であると言えます。「気にしていた時は音が違い、気にしなくなったら音が違わない」のですから、2-1の効果はないかまたは微小である(あるいは、ケーブルによる音の変わり方とは別の変化として区別できている)と考えられます。このケースの場合、スピーカーから耳までの経路の影響による音の違いよりも心理効果の方がかなり強かったと言えます。なお、1の効果つまりスピーカーから出ている音が実際に変化したことを原因とする音の感じ方の違いは、この方の場合、心理効果によるものよりも小さいのでしょう。もちろんそれは、あくまでこの方のケースであるため、ケーブルの違いによって音が変化することを否定できるものではありません。

 この例のように思い込みによる心理効果によって音が違って聞こえる現象は確実に存在していますが、問題は、それでどこまで説明できるのかということです。様々な試聴結果を具体的に見ていくと、心理効果では説明しにくい現象が多く認められます。これらについてはこちらのエントリーで書きました。

ケーブルで音が変わる理由3 心理効果(プラシーボ)

 ケーブルの音質評価には、価格が高いケーブルほど良いとか、高純度銅などよさそうに思える材料を使っているケーブルが良いとか、電気的性質の良好なケーブルが良いといった心理効果で説明できそうな傾向が全く見受けられないのです。評論家などが絶賛することにより発生する集団ヒステリーで説明できるかもしれないという考えもあるかもしれませんが、オーディオ界に集団ヒストリーを起こさせるような強力なカリスマは見当たりません。そして、この種の心理効果による音質変化の主張を発信するもの中で、心理学に強そうな人間が言っているのを見たことがありません。これらのことから、思い込みによる心理効果の程度についてはあまり強力に考えられるものではありません。

 

2-2-2.その時の気分の違いなど心理状態によって音が変わって聞こえる効果

 心理に起因する音質の感じ方の変化としては、思い込みによるもののほか、体調の違いや気分の違いによるものがありますが、これらはケーブル交換の前後で急に変動するものでありません。また、2-1と同様に期間をおいて繰り返し試聴することにより影響が緩和されるものでもあります。したがってこの効果のケーブル音質変化に対する支配力もごく限られたものとなるでしょう。

 

 

 以上、スピーカーから出ている音が変わらないにもかかわらず音が変わって聞こえる要素について、見てきましたが、思い込みによる変化が比較的影響力として強いものの、ケーブルによる音質変化の多くを説明できるものではなく、ケーブルの種類によって音が変わる主たる要因とは言えません。

 

 それでは次に、スピーカーからの音が実際に代わる方の要素について、見ていきます。まずはケーブルとは関係ない要素です。

1-2.ケーブル交換の前後でケーブル以外の要素が変動したことによる変化

 より具体的には、ケーブル交換前後で

① 電源からやってくる電気的ノイズが変動した。
② 外部からオーディオ機器に飛び込んでくる電磁波が変化した。
③ 外部からの振動が変化した。
④ オーディオ機器がウォームアップしたことにより、音が変わった。
⑤ ケーブルを差し直したことにより接点の状態が変化し、その結果音が変わった。

といったような変化です。これらについては、確かにスピーカーから出る音自体が変化している訳ですが、ケーブルと関係がないところでの音質変化です。これをケーブルによる音の変化と誤認する効果はどのくらいあるでしょうか。

 ①②③はケーブルの交換と関係なくランダムに発生する音の変化です。このようなランダムに発生する音の変化については繰り返し書いていますが、比較試聴を複数回慎重に行うことにより、排除することが出来ます。試聴記を探すと、たとえばAとBのケーブルを比較した場合、はじめはAがよいと思ったが、後日よく聞くとBの方がよかったというブレ方をしているものはままあるのですが、AになったりBになったりといったものは皆無(そういった結果は記事にしにくいということもありましょうが)です。したがってこの①②③のような要因はケーブルの音質比較には影響していないと考えられます。

 ④のウォームアップの影響については、確かにあると考えますが、一通り比較試聴したあと、2巡目の試聴を行っていれば問題ないため、ケーブルの音質評価を乱す要因としては小さいと考えられます。

 ⑤の接点変化による効果については、試聴記を見ることがあります。ケーブルを差し替えて変更すると、音がよくなって聞こえるが、同じケーブルを差してもやはりよくなったように思えるといったものです。従って、影響力はあるといえます。ある程度の期間接続しっぱなしで使っていたケーブルを入れ替えた場合は、ケーブルの評価を特定の方向へ誘導する恐れがあるでしょう。しかし、一度ケーブルを換えた後、短時間(期間)にケーブル変更を繰り返すような場合は、2回目以降の交換による音質変化への影響はランダムに生じるはずでありますので、初回交換以外は①②③と同様となり、データとして試聴記を採用する際に注意すれば特に影響はないといえます。

 

 最後に本丸である1-1ケーブルの性状を原因とする変化です。

 これまでは、ケーブルを原因としない音質変化をケーブルによる音質変化と誤認する可能性について、見てきましたが、いずれもケーブルによって音が変わることを説明する支配的な要因は見出せませんでした。したがって、ケーブルによってオーディオの音が変化する主たる原因はケーブル自体の性状にあると言えます。

そこで、1-1-1.ケーブルの電気的性質による音の変化 であるわけですが、こちらについては、

 

 

 

 という2つの記事で書きました。いわゆる「変わる派」の方はこのようなケーブルの電気的性質によって音が変化するという主張をされる向きもありますが、予想される効果は小さく、苦しい主張と言わざるえません。特に絶望的なのは電源ケーブルで、電源ケーブルの電気的性質によって音が変わる仕組みのまともな説明を見たことがありません。この点についてはいわゆる「変わらない派」が正しいのです。「変わらない派」の間違いは、ケーブルの電気的性質で音が変わらないからといって、音が変わる原因を心理効果等にすべて押し付けているとことにあります。

 ということで、ケーブルによって音が変わる原因は

1-1-2.電気的性質以外のケーブルの性状による音の変化

というところに求められることとなります。

  このことの内容については以下の記事に書きました。

 

 

 

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