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2019年10月 3日 (木)

スピーカーケーブルの抵抗はどこまで上げてよいか?

 これまで、オーディオシステムにおいてケーブルの選択によって音が変わる理由や高音質ケーブルの条件について考えてきました。その結果、ケーブルで音が変わる主たる原因は縦振動であるというタイムドメイン由井社長の主張が確認できました。そして、高音質ケーブルの条件としては、振動を伝えないために「柔らかいこと」が最も重要な条件であるらしいことがわかりました。由井社長はケーブルは細ければ細いほどよいとしていますが、ケーブルの太さと音質だけを見ると、必ずしも細いものほど高音質とは限らないように思えますが、振動の伝わり方は細さだけでは決定しないことによるのでしょう。細く作ったほうが柔らかくなりやすく、類似の材料と構造で作られているば、細いケーブルのほうが柔らかくなり、音質上は有利になると思われます。

 ところで、オーディオファンならば常識ですが、アンプの制動力を示すダンピングファクター(DF)という指標があります。これはご存知の通り、DF=(スピーカーのインピーダンス)/(アンプの内部インピーダンス)+(スピーカーケーブルのインピーダンス)で表され、大きいほど制動力があり、小さすぎると余計な余韻が付いたたるんだ音となります。

 DFと音質の関係として、よく引用されるものは下記のものです。
Dfctorgh

 ダンピングファクターと周波数特性の変化

出典: 「強くなる!スピーカ&エンクロージャー百科」誠文堂(1980) P38

 この図を見ると、DFが3を超えると変化が小さくなり、10以上ではDFの違いによる音質変化が極めて小さくなることが推測できます。このため、DFは20もあれば十分などと言われてきました。

 ここで、たとえばスピーカーのインピーダンスを8Ω、スピーカーケーブルのインピーダンスを0.03Ωとしたときに、DF>20とするためには内部インピーダンス0.37Ω以下(カタログ上DF>21.6)のアンプを用意すればよいこととなります。トランジスタアンプならばこの程度の製品はたくさんあるでしょう。スピーカーケーブルは太めで抵抗(電線ならば直流抵抗≒インピーダンス)が小さいものを選べば0.03Ω未満程度なら簡単に実現できるため、このようなケースであれば、スピーカーケーブルの抵抗の影響はわずかであり、また、さらに抵抗の小さいスピーカーケーブルを使ったところでDFが(スピーカーのインピーダンス)/(アンプの内部インピーダンス)の数値に近いていくだけです。そのため、さらに低い抵抗のスピーカーケーブルを使う意味はなく、ケーブルの抵抗を気にする必要はないといえます。

 ところが、ケーブルが細いほうが音質上有利であるという話になってしまうと、状況が変わってしまいます。細いスピーカーケーブルは電気抵抗がそれなりに存在し、DFを下げる要因となるため、DFはどこまで下げてもよいか、下限を見極める必要が出てきます。

 例によってタイムドメイン由井社長の発言から拾うと、スピーカーケーブルの抵抗値は1Ω程度以下を目安とすると述べていますhttps://www.facebook.com/timedomain/photos/a.119482074850606/691913014274173/?type=3&theater 。(同時に抵抗をめちゃくちゃ下げるのは無意味としています)

 タイムドメインの製品で見るとYoshii9のスピーカーケーブルは0.2sqのライカル線であり、標準では延長が約3mです。往復6mならば抵抗は0.56Ωとなり、1Ωの目安に対して多少の余裕があるようです。また、ライカル線にはさらに細い0.1sqの製品がありますが、こちらを往復で6m使用すると1.12Ωとなり、1Ω以上となるため、0.2sqを採用したのかもしれません。ただし、電気抵抗ではなく断線しにくいための強度を考慮して0.1sqではなく0.2sqを選定したということも考えられますので、1.12Ωという電気抵抗値を高すぎると判断したとは言い切れません。

 この0.2sqのライカル線ですが、標準で採用されているYoshii9の試聴記や数は少ないものの他のシステムに組み込んで使用しているブログ等を見る限り、ダンピングファクター不足と思われる症状は出ていないようです。私もYoshii9のほか、イクリプス307を使ったサブシステムにも0.2sqライカル線を片道2mほどで使用していますが、とくに支障は感じません。

 そこで、このライカル線と同程度以上の抵抗を持つスピーカーケーブルを使った試聴記をいろいろと調べてみたいところではありますが、スピーカーケーブルとして一般に使用されている電線はより太く電気抵抗が低いものが大半であり、通常の長さで1Ω付近やそれ以上の抵抗となるものがなかなかありません。極細のスピーカーケーブルを使用してみたとする記録でも、ライカル線よりも太いものが多く、あまり参考になりませんでした。ただし、ライカル線よりも太いものの、一般的なスピーカーケーブルからみれば極細の部類に入るものを利用しても、音質的には向上したという趣旨ものもが多く、また、明確にダンピングファクター不足が生じたという事例は皆無であることから、幅広いシステム構成においても、ライカル線以下の抵抗値のスピーカーケーブルであれば支障がなさそうだということがわかります。

 長尺のスピーカーケーブルを使えば、高い抵抗値でどうなるのかを試すことができますが、これについても家庭のオーディオでは必要にならないため、事例があまりありません。唯一まとまった量の試聴結果がみられるのが、プロケーブルの「音の焦点合わせ」です。まあ、これとても、「解像度を上げると音がキン付き、スピーカーケーブルを伸ばして音を緩め調整しなければキツくて聞けない」という症状が発生するシステムのデータしかないので(なお私としてはこのような調整が不要であるシステムがオーディオシステムとして正しいものであると考えています。)、どのくらい使えるデータなのかという疑問は残ります。それでも実施結果をまとめてみると(https://star.ap.teacup.com/teoclete/179.htmlに一覧表がまとめられています)。チャイムコードでは往復抵抗値が1Ωになるのが15m程度、VVF1.6だと50m程度となることから、抵抗値が1Ω前後以上のところで調整しているように見受けられ、ダンピングファクターの低下によって音質が大きくなり始めるところがスピーカーケーブルの抵抗1Ωあたりなのではないかと推測できます。

 極細スピーカーケーブルの有用な試験となるとやはりたくぼんさんのブログに依存となってしまします。

スピーカーケーブルの考察

http://tackbon.ldblog.jp/archives/51548173.html

これによると、1Ω以下のケーブルは抵抗が大きいことによる不具合は出ていませんが、6.4Ω/5mの電話線、16.9Ω/5mのRSCB芯線では「音が劣化してエコーがかかったようになった」と述べています。

 

 Yoshii9使用だと、このような記録もありました。

Timedomain yoshii9用超極細自作スピーカーケーブル(0.025mm(25μm))

 この事例だと、0.025mm(25μm)のスピーカーケーブルをYoshii9に取り付けています。これだと抵抗は数十Ωになっているように思いますが、非常にクリアな音になったとしています。こちらはどう考えればよいのか、悩みます。

 まとめるとスピーカーケーブルの抵抗は1Ω以下であれば問題はなく、1Ωをいくらか超えても良さそうではあります。

 スピーカーケーブルの抵抗が1Ωならばスピーカーが8Ωのとき、DFは最大で8に制限されることとなります。そこからさらにアンプの内部インピーダンスによってDFがさらに低下することや、スピーカーケーブルの抵抗が1Ωを多少超えても大丈夫だということを考えると、DFの必要最低値は8よりもかなり下にありそうに思えます。ダンピングファクターと周波数特性の変化の図ではDFが1以下では音の劣化がありそうなのでDFの必要最低値は2~4あたりではないかと思えます。


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