高音質HDDケース 林檎派 Macbeth Combo PRO
以前に購入したHDDケース「林檎派 Macbeth Combo PRO」の音質についての記事です。
この製品は、eSATA、FW800/400、USB3.0/2.0に対応した金属製のファンレス外付けHDDケースです。WindowsPCのUSB外付けディスクおよびNAS(RocDiskNext)のeSATA外付けHDDとして動作確認できました。普通に使用する分には特に問題は無く、動作音かなり静かなほうだと思います。
音楽データーをNASではなくローカルHDDに収納してPCオーディオを組む場合には内蔵よりも外付けのほうが振動や電源、ノイズの点で一般には有利と考えられ、私においても以前に音楽データをPC内蔵から外付け(SATAをそのまま外出し)したときに音質向上を確認しています。なお、USB-HDDについては音質的な高評価を見かけないので、使用しないほうが良いのだろうと思います。
NASには外付けでHDDを増設するためのインターフェースが大体付いていますが、多くはUSBです。ところが、RockDiskNextにはeSATAが付いていますので、ここに外付けHDDを接続し音楽データを収納することによりさらなる音質向上を図ることができるのではないかと考えました。そこで、この林檎派の購入となったわけです。
日立GSTの500GBのHDDを接続し、RockDiskNextの外付けHDD初めて使ってみたときは甲高い動作音が耳についてしまい厳しい感じでした。その後数日使用するうちにかなり症状が緩和されましたが、やはり聞き疲れを感じる厳しい音との印象となり、RockDiskNextを単体で使用したほうが良好となりました。
この音質比較にはHDDの種類による音質差が影響しているはずであり、また、HDDが2台動いていることによる動作音の大きさなども影響していと思われます。そこで、RockDiskNextの内蔵HDD(WD Green)を取り外し、それを林檎派に取り付けて(RockDiskNextを空にして)試聴して見ることにしました。なお、両者ともインシュレーターにオーディオテクニカのAT-6099を使用し、電源は付属のACアダプターは使わずにモバイルバッテリーのリチウムdeチャージを使用しています。
林檎派の外見
WD Greenを取り付けたところ
試聴状況
まず、HDDの動作音が低減されました。WD Greenの静音性のほか、林檎派ケースもやはり優秀です。(ただし、ゴム足またはインシュレーターがないと床が共振します。)
動作音が静かになったためか、音質も向上したような気がしますが、それでもやはりRockDiskNextに内蔵した場合との比較では固さの残る音との印象がぬぐえませんでした。
改めて、RockDiskNextと林檎派ケースを叩いてみると、どちらもびり付きなどは全くないのですが、RockDiskNextはコッコという感じの鈍い音なのに対し、林檎派はカッカとやや甲高い音がしています。この違いが音に現れているのかもれません。
比較試聴を繰り返した結果、結局RockDiskNext単体で使用したほうが良いとの結論としました。
まあ、音質向上の期待は適いませんでしたが、RockDiskNextに外付けHDDをぶら下げて使うとなるともともと複雑なシステムが輪をかけてややこしくなるのでそれが避けられてほっとした気分でもあります。林檎派ケースはバックアップ用に使いたいと思います。
今回オーディオ用としては私において不採用となった林檎派ケースですが、なかなか音質のよい優秀な製品であり、ローカルHDDでPCオーディオシステムを組む場合にはお勧めの製品だと思います。他の多くの外付けHDDケースやNASには音質的に勝っているだろうと予想します。
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おそらくですが、林檎派ケースよりもRockDiskNextの方が音質面で有利なのは、RockDiskNextにはプロセッサーがあるからだと思います。最近の外付けHDDはハードウェアが進化しているので、音質面が改善されているとはいえ、プロセッサーを持たないので自らクロックを生成出来ないのが痛い。やはり、外付けHDDはバックアップ用とするのが妥当だと思います。私の持っている外付けHDDもバックアップ用で使っていますし。
但し、林檎派ケースなどの外付けHDD製品は、ヤマハのMusicCast対応機器とUSB接続してDSD音源を再生した場合に限ってはRockDiskNextよりも化ける可能性があります(外付けHDD+MusicCast対応機器で独立したサーバーとなるため)。それでもPCM音源再生だったらRockDiskNextの方が音質面では上だと思いますが。
DSDはLAN接続のようなパラレル接続では時間軸がブレてしまうので、USB接続かthunderbolt接続が無難だと思います。現状DSD再生に適した製品は、NASだとQNAPのthunderbolt対応NASくらいしかないですし、オーディオ製品なら先程のMusicCast以外では、おそらくネットワーク帯域分離が不要なフルレンジかタイムドメインあたりだと思います。それ以外では自作PCでthunderboltかファイバーチャネルを使って接続するしかないですね。PCM音源再生だったらいくらでも方法があるんですけどね。
投稿: 虎魂王 | 2017年1月 9日 (月) 01時22分
虎魂王さん
こちらこそよろしくおねがいします。
今回の比較において林檎派はRockDiskNextのeSATA外付けローカルディスクとして接続しています。ですので、pcから見た接続方法としては同一であり、方式による音質差は考えられません。
今回の比較はケーブルの相違があるもののRockDiskNextと林檎派のケースの振動特性を比較した結果であると考えます。
投稿: よんまる | 2017年1月 9日 (月) 16時05分