歴史が面白くなる 東大のディープな日本史
東京大学入学試験の日本史試験問題の面白さに惹かれた予備校講師の筆者が東大問題を題材に一般書籍にしてしまったという本です。前書きのところでつかみとして、とても目を惹く面白い問題が2台例に出されています。2つのうち片方は答えのない(日本の歴史学が回答を見出していない)問題です。これを見るとたしかに高得点はとりくそうな高度な問題ですが、高校日本史は結構細かいところまで勉強してしまうので、どうしても応用的な問題にならざるを得ないのかもしれません。「東大文系を受けるなら日本史よりも世界史を選択するほうが良い」という意見を見たことがありますが、これなら確かにそうかもしれないと思えてきいます。
本文に入ると入試に出題された問題があり、歴史的背景の説明、回答例が並んでいます。問題文は確かに考えさせられるものばかりですし、解説は解説で読み物として読みやすく面白く書かれています。ただ、取り上げられている問題の内容自体はわりと正統派のテーマを扱っているような気がします(と思ったら続編にはそうかかれており、2巻目はより変わったものを取り上げたと書いてありました)。そこそこ日本史の知識のある方ならば、問題を読んですぐに答えが浮かばなくても、その後の歴史解説を読めばたしかにそうだと思えると思います。
東大日本史を一般書籍にして歴史の面白さを伝えようという筆者の意図が成功した良書だと思います。
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