NASの音質比較
私が今回購入したNet Audio誌2014年冬号にはネットワークプレーヤー9機種×NAS5機種総あたり試聴という素晴らしい記事が掲載されています。9種のネットワークプレイヤーに5種のNASをあわせてみてそれぞれ試聴して評価し、5点満点で得点をつけています。そこで、今回はこれを機会にNASの比較試聴記録をまとめてみたいと思います。
Net Audio誌2014年冬号の記事において試聴に使われたNAS5機種の得点です。組み合わせるプレイヤーのよって変動していますが平均すると次のようになっていました。
1 DELA N1A 平均得点 5.00
2 Buffalo LS421D 平均得点 4.33
3 QNAP HS-210 平均得点 4.28
4 IO DATA 挑戦者 RockDiskNext 平均得点 4.00
5 Buffalo LinkStation mini 平均得点 3.50
使用したモデルはLinkStationは1Tバイトモデル、RockDiskNextは3TのHDD内蔵モデル、HS-210はオリオスペックカスタマイズモデルとなっています。またDELA N1AはHDDモデルです。設定等はおそらく初期設定で使用したものと思われます。
LinkStation mini以外はオーディオ用を謳っている製品です。それぞれ高音質のための工夫を行っているようです。そのなかで、RockDiskNextとLS421Dは音質向上のため、使用しないサービスをoffにできる機能を備えています。DELA
N1AやQNAPでも幾らかの設定が可能なのでしょうが、ちょっと調べたところでは分かりませんでした。
RockDiskNextとLS421Dの設定項目を比較するとRockDiskNextではLS421DにはないSAMBA(Winからのファイル操作に必要)やAFP(Macからのファイル操作に必要)の停止をすることができます。RockDiskNextでは初期状態ではすべての機能がOnになっていますが、LS421Dでは初期状態でDLNA以外の機能がoffに設定されているようです。
設定面から考えると、Buffalo LS421Dは初めからいろいろなサービスがoffになっており、それらに加えてDLNAを使用しない環境ではoffにできますが、伸びしろは少ないといえます。一方でRockDiskNextの場合は初期設定状態に対してiTunesサーバー、AFP、SAMBA、メディアサーバー(DLNA)をoffにすることによる負荷軽減の余地があることになります。(なお、私の場合はWindowsから再生しており、SAMBAのみを有効とし、DLNAを含むその他のサービスを無効としています。)したがって、この記事ではRockDiskNextは4位ですが、設定を詰めた状態で比較するならばより順位を上げる可能性があるといえます。
電源について見るとDELAが電源内蔵、それ以外の4機種はACアダプターとなっていますので、ACアダプター駆動の4機種はACアダプターを別の製品に変更することによる高音質化が見込めます。私においても所有しているLinkStation
miniとRockDiskNextについてそれぞれバッテリー駆動化してみましたが、どちらも大きな音質向上がありました。ですので、このNet Audio誌の評価が正しいとしても、バッテリー駆動等による電源の改善を行った場合はDELA N1Aに他機種が追いつき追い越すことができる可能性があると思われます。私の比較試聴結果についてはこちらに書きました。
さらにNASの音質について検証するため、NASを比較試聴した記録を集めてみました。
・アコースティックE オーディオルーム
オーディオ用NASについて
こちらではDELA N1Z > LS421D としています。
・Yoshii9 を最高の音で聴こう!
34/58 Yoshii9 へのバッテリー駆動スイッチングHUBの数珠繋ぎ
こちらでは、今となってはかなり古い機種ですが、buffaloのLinkStation HD-H400LANが最良の音であったとしています。また、このブログの著者である小提琴奏者氏はNASとUSB、eSATAを比較したところ、NASが高音質であったとしています。
・「かないまる」のホームページ
高音質なNASキットを発見
以前はコレガのNAS CG-NSC2100GThttp://kanaimaru.com/da5700es/3007.htmを愛用していたかないまる氏ですが、2年間多くの製品を試聴した結果、音の良いRockDiskNextに出会ったとしています。
・メタラーのヘッドホンブログ
NASによって音質って変わる? ~IODATA Rockdisk nextとBuffallo LS-X2.0TLJの音質比較~
こちらの記事によると、Rockdisk nextはBuffallo LS-X2.0TLJやQNAPのNASキットよりも高音質であったとしています。ただし、HDDは違う機種を内蔵したため、HDDの音質差を含んだ評価ではあります。
とりだべ ~橋爪徹のBlog~ アニソンやゲームのハイレゾ感想など
ネットワークオーディオに使うNASを新しくしてみた / RockDiskNext導入期
I/O Data RockDiskNext > I/O Data HDLP-S500 となっています。
・コーヒーショップ「MapleSkyline」
スフォルツァート「DSP-03」☆
こちらではあるショップの試聴会での結果として、
LS421D > QNAP
としています。
・purepureさんの個人的日常 待避所
80万円のNAS DELA N1Zを聞いてきたよ
こちらは試聴結果として、
DELA N1Z > Baffalo LS421D
としています。
次に、DW's(ダブルウーファーズ)会長宅で行われたというNAS5機種とネットワークプレイヤーの比較試聴会の記録がアップされていたので書いておきます。
・Blog de afutura
NAS,NWP比較試聴会(2/2)
I/O RockDisc Next、 Buffalo DELA N1A 、Buffalo DELA X は大差なしとしています。比較試聴した中でQNAPだけは良くなかったとしています。
・趣味の日記
Network Audio試聴会の結果発表
こちらも同じ試聴会の記事です。残りのNAS1機種はBuffalo DELA N1Zだったことが分かります。この方はRockDisc Nextが最も良かったとしています。
以上、数ある製品の中で、どれが最高音質の製品であるのか決定するには情報が足りませんが、RockDiskNextはかなり高評価でありました。DELAのハイエンドNASと評価が近接していることからしても、電池駆動による音質向上も考慮するならばDELAのN1ZやN1Aを音質的に越えている可能性が考えられるため、私として今のところ現在使用しているRockDiskNextから機種を変更する必要はないと思われました。
←この記事が良いと思った方はクリックをお願いします。
人気ブログランキングへ
« NYタイムズは「レッテル貼りの偏向」と米国の研究機関 | トップページ | ダムカード »
「オーディオ」カテゴリの記事
- CDトランスポーター/リッパーが発売(2024.12.20)
- Philewebコミュニティがサービス終了へ(2022.06.03)
- 自宅大改築(2021.07.23)
- ダイアトーンのカーステレオ続編(2021.02.03)
- ケーブルで音が変わる要素全体論(2021.01.16)
「PCオーディオ」カテゴリの記事
- CDトランスポーター/リッパーが発売(2024.12.20)
- AirMacExpressの外部クロック的利用(2012.03.15)
- シールドメッシュの見た目改善(2020.11.19)
- USBサウンドデバイスが認識しなくなった(2020.08.28)
- USBサウンドデバイスの2台接続はWindows10でも有効か?(2017.07.02)
NASは、私は皆さんからダメって言われたQNAPを使ってます・・・
買った当時、無音NASがそれしかなく、オリオさんもそれしか扱ってなかったので信じてました
クライアントPCもオリオさんの無音PCでしたので、NASの中身までSSDにしてます
高い買い物なので、今更買い換えるわけにも行かず、またPCにNAS再設定するのも
なにかバッティングしそうで怖いですね(NASはその前はシノロジー使っていたんですが
「ブーン」音が気になってやめました)
ああ、悩ましい・・・IOデータですか・・・
投稿: むぎたに | 2015年1月 3日 (土) 13時49分
むぎたにさん こんばんは
QNAPは定番扱いでしたものね・・・
私も、「Yoshii9を最高の音で聞こう!」においてbuffaloのLinkStation HD-H400LAN(当時すでに販売終了)が高音質と書いてあったので、同一メーカーのファンレスNASであるLinkStation miniを購入し、4年半ほど使っていましたが、こちらは音質的にさほどではないらしいことがわかり、ちょっとがっくりきました。NASを移行するのも面倒でしたが、やむをえないので消費税が増税となることもあり、RockDiskNextの購入に至りました。もとのLinkStation miniはWAVファイルのバックアップおよび家族写真等を保存する通常のファイルサーバーとして余生を送っております。
投稿: よんまる | 2015年1月 3日 (土) 21時29分