PCオーディオfan No.1
2009年から2012年にかけて、雑誌Audio BasicのMOOKとして「PCオーディオfan」という書籍が刊行されていました。この書籍について振り返ります。
はじめの1冊は2009年夏に刊行されました。mookとはいえ初のPCオーディオ雑誌ということで注目を集めました。
PCオーディオの始め方のような記事やUSB-DACなどの製品紹介に加え、基礎知識の解説、高音質を得るためのPCの設定方法や再生ソフトの紹介やPCオーディオについての理解を深めるための対談などの記事がぎっしりと詰まっていて、今読み返しても読み応えがあって面白いです。ユーザー主導で流行し始めたPCオーディオの世界であり、まとまった情報を得られる場所が余りなかったのですが、この本があれば初級者から中級者にステップアップ出来るでしょう。(ただし、P99にあるコントロールパネルによるWindowsのカーネルミキサーバイパスの方法は違っているようです。こちらの記事をご覧ください )
編集後記には金城さんという方が
前人未到の地、というのは大げさですがせいぜい「けもの道」や猟師・山菜取りが通う程度の道に、せめて車が1台通れるような道路を作りたい・・・。そんな思いではじめたこのMOOK作りですが、作業は困難を極めました。
ーー中略ーー
拙い道ですが、ぜひ「PCオーディオ」という魅力あふれる面白い場所にお出かけください。そして、皆さんからの声を参考に、この道を快適な高速道路に作り変える工事に再び取り掛かれることを楽しみにしています。
と書いており、製作現場の興奮が伝わってくるようです。この編集後記のかっこいい文章にふさわしい内容の書籍に仕上がっていると思います。
また、紙面に占める広告が少ないことも際立った特長です。この書籍は注目されるにふさわしい内容であったためか、短期間で売り切れてしまい、現在も増刷されていないようです。
最近はPCオーディオに関する書籍がいくつも刊行されていますが、いずれも初心者には親切ながら、音質の追求という意味ではにはPCオーディオfan1号に対して後退したものにしかなっていないように思います。増刷かあるいは類書の刊行があってもいいのではないでしょうか。
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