福島第1原子力発電所事故の影響について
少し前になりますが、3月11日に「報道ステーション」において、福島第1原子力発電所の事故の影響で 小児甲状腺癌が増えているのではないかとの疑いがあるとの報道がなされました。「通常100万人に2-3人と言われる甲状腺癌の発症が福島県では27万人中33人」になったという。子供が甲状腺癌にかかってしまったという悲劇に見舞われたお母さんも登場し、診断体制のおかしさについて訴えていた。私もこの番組は見ていました。たしかにいろいろと問題点はありそうには思えました。何気なく番組を見ていると、やはり原子力は危険であり、現時点での原発推進には否定的な印象を受けがちになります。
ただし、原発事故の放射能によって本当に甲状腺癌が増えているのかどうかは、自覚症状のない人も含めた多数の検査を行ったことにより通常は見つからないままになっている患者が発見されてことによる効果(スクリーニング効果というらしい)の影響が考えれれるため、分からないのが実情であるようです。番組全体としては報道ステーションらしく、反原発の方に誘導しようとする意図も感じられましたが、このスクリーニング効果についても番組内で解説されており、報道番組としての矜持は守った格好になっていました。
この放送以降、時々、「福島原発で本当は癌が増えているの国は隠蔽している、現代の大本営発表だ」なんて意見を目にすることがありますが、番組を良く見れば結局原発事故との関係は不明、言い方を変えれば原発事故によって甲状腺癌が増えていると言える根拠はないというのが事実関係であり、上記のような意見を喧伝するというのは、人の感覚とは実に様々だと感じずにいられませんが、事実関係と異なる以上、間違ったやり方であると思われます。
原発事故以降、その健康への影響についてはかなり注意して調べられているでしょうから、現在明らかな影響があるとは発表されておらず、これは事実明らかな健康被害が現時点で発見されていないことを意味しているのでしょう。
原発事故の影響について、こんなことがありました。東京で、毎日自転車通勤している知人がいますが、彼は、原発事故の直後も自転車通勤を続けていて、しばらくして、頭髪が少し薄くなったといっていました(子供が気づいたそうです)。これはおそらく放射能の影響であったのでしょう。なお、現在は完全に回復しています。事故発生直後においては、外出を控える呼びかけが必要であったのに当時の政権は怠っていたといえると思います。このことからすると、事故直後の放射性物質が大量に放出されたときには、注意が必要な状況があったようですが、この様な現象を調べて報道しているところがどこかあるでしょうか。
いずれにしても、何かの意見を主張したときには、できるだけ確実な事実に基づいて議論していきたいものです。
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