システム紹介82-1 RAMディスク ANS-9010B
オーディオ用に使っているPCのドライブのひとつとしてRAMディスクのANS-9010Bという製品を使っています。
これはDDR2-SDRAMを搭載してPCとSATAで接続し、それをハードディスクのように使用できるという製品です。DRAMを使用するので、SSDよりもはるかに高速に動作するところがメリットでした。発売当時は一部のスピードジャンキーが購入しましたが、インターフェイスであるSATA2がボトルネックと成っており、SATA3とSATA3対応の高速SSDが普及してきた現在は速度的メリットは小さくなっています。SSDと異なり書き換え回数の制限の無いところは現在でもメリットです。この製品はメモリを最大48GBまで積むことができるため、システムディスクとしても使用可能です。上位機種としてANS-9010があり、こちらはSATAポートを2つ持ち、RAID0でも動作可能で、メモリが最大64GBまで搭載可能となっています。製造元はACARDで、玄人志向からもOEM品が販売されていたので、こちらを購入しました。
CDをコピーしたイメージファイルをDRAMに置くと高音質であるとか、あるいはより以前に販売されていた類似の製品であるギガバイトのi-RAMにWAVEファイルを置いてみたら上品な音質だったとの感想を見かけたため、この製品を興味を持ちました。もちろんWindows本体を置いたらどうなるかということも興味がありましたが、WindowsXPをインストールできるほどメモリをつんでしまうと、消費電力が非常に大きくなってしまうために、それはやめておいて、変わりに、CDイメージの作成スペース、スワップファイルの保存先、再生ソフトであるiTunes、foobar2000、QuickTimeのインストール先として活用することとしました。私の使用しているマザーボードはメモリが最大2Gバイトまでであるので、32ビットOSでも、あと1GB余りならばスワップファイルを作成する意味があります。
DRAMですから当然電源を止めると内容が消えてしまうわけですが、この製品は電源を切った時のデータ保存のためにCFカードのスロットと内蔵バッテリーが用意されています。電源供給が途絶えたときはバッテリー駆動に切り替えるとともに、メモリの内容をCFカードにコピーするようになっています。起動時はCFカードの内容をメモリにコピーして、立ち上がります。バックアップおよび書き戻しは、前面のボタンでも行うことが出来ます。
こちらがANS-9010B(玄人志向)です。5インチベイに内蔵できますが、SATAケーブルを外に引き出して、電源を手当てすればこのように外付けでも使えますのでそうしています。
セットアップですが、ハードディスクの増設などを何度かやったことがあれば、特に難しくはありません。つなげば普通にディスクとして認識されるので、管理ツールで領域確保とフォーマットを行うだけです。なおCFカードにバックアップせずに電源を切ってしまうと当たり前ですが領域情報も消えます。
このように書くと非常に使いが手が良さそうに思えますが(一般の市製品紹介は大体このくらいの項目です)、おかしなところもありました。内蔵バッテリーをつないだ状態で電源を落とすと、バッテリー駆動に切り替わりしばらく待ってCFカードにバックアップするのですが、バックアップが終わった後もバッテリーからの給電が続き、バッテリーがなくなるまで電源が入ったままになります。これでは電気の無駄遣いですし、バッテリーも消耗すると思われます。事実半年ほど使ったところでバッテリーに余り充電できなくなってしまいました。このバッテリーはACARDから購入できますが、7000円くらいかかりました。基本的にこの製品は電源入れっぱなしで使うことしか考えていないようです。
そこで、私は写真のように普段は内蔵バッテリーのコードをはずして使用しています。あとから述べますが、私はこの製品も外部の電池から電源を取っているのですが、バッテリーが減って交換が必要になったときだけ内蔵バッテリーのコードをつないで外付けのバッテリーを交換しています。ディスクの内容である再生ソフトは一度バックアップしてしまえば終了時にメモリから消えてしまってもまた起動時に読み込んで繰ればいいだけの話ですし、スワップファイルなら終了時には消えてかまいません。逆に、常時書き換えるようなデータを保存するのであればより使い方を工夫する必要があります。本来は、ほかにテンポラリなどを保存したいのですが、やや残念なところではあります。それでもスワップファイルが入るだけでもシステムとして使用しているSSDの書き換えを抑制し、寿命を延ばす効果はあると考えています。
長くなってので、音質については次回に回します。
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