「高音質保証!麻倉式PCオーディオ」について
以前の記事で、この本について少し触れ、TweakUIを用いた設定について役に立ったことを述べました。ついでに、この本についてもう少し書きたいと思います。
この書籍は、PCオーディオの基礎的知識の解説と、高音質化手法についていろいろと述べられています。前述のPCの設定のほか、CDのリッピングにおける工夫、PCの防振や電源についても試してみた結果が書かれいます。USB-DACの製品紹介の章もありますが、こちらはオーディオ雑誌の記事と余り変わりません。一見、長所、短所をしっかりと書いている様に見えますが、高価な製品を高く評価し、安価な製品をそれなりに書いているだけのことで、どの製品が良いのかは全く分かりません。こちらについてはあまり読む価値はないでしょう。
CDのリッピングやPCの設定、PCの防振や電源の工夫などについてはいろいろ試してみた結果が細かく、明快に評価されており、著者がどの方法をよしとしたのかがはっきり分かります。もちろん必ず正しいというものではありませんが、これだけはっきり書いてあれば、非常に参考になります。オーディオ雑誌の製品紹介記事もこのくらいはっきり書いていただきたいものです。この本ではむしろ非常に小さな違いをものすごく大げさに書いていて、違和感がありますが、参考とするにあたって障害となるものではありません。
iTunesによるCDリッピングの音質比較があり、そこで44.1kHzと48kHzの音質を比較しているところがあるのですが、そこでは48kHzの方を無条件に良いとしています。もともとのCDは44.1kHzであり、48kHzにアップすることの弊害も考えられmすし、ネットで試聴記をいろいろ見ても、48kHzはやや不自然とするものが良く見られるため、この記述はおかしいと思われました。ですので他の音質評価も必ずしも正しくないところがあると思われます。
PCオーディオの音質改善としてはまっとうな方向の探求が書かれており、結局従来のオーディオ雑誌と同じくオーディオメーカーのカタログ集に近い存在に成り下がっているPCオーディオ系のオーディオ雑誌に比べれば良書であると思います。ただし、試していない工夫もいろいろ存在しますし、PCや周辺機器にしても沢山あるので、今後更なる探求を行っていただきたいものです。
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