「日本は裕福なのに召使いを雇っていない」「イヌの散歩の時に袋を持ち歩く」…中東が日本の美徳に注目
インターネットの交流サイト、フェイスブックに、日本に見習うべき点を列挙したイスラム教系の啓発ページがあると、エジプト人の友人に教えてもらった。いくつか抜粋してみる。「日本人はイヌの散歩の際、糞(ふん)を片付けるための袋を持ち歩く」「日本は世界で最も裕福な国の一つなのに、(大部分の)国民は召し使いを雇っていない」貧富の差が大きいエジプトでは、高収入の家庭で使用人を雇うのは一般的で、ペットの世話なども他人任せにすることが多い。飼い主としての自覚がない人が多いから道にたくさんの動物の糞が落ちており、すぐ踏みつけそうになる。この2点は強くうなずけた。記事では「日本の学校では毎日、教師と生徒が一緒に掃除をする時間がある」「学校に道徳の授業がある」ことなども驚きをもって取り上げられていた。公共心を育むための教育は、日本人にとって何ら特別のことではないけれど、友人は「今のエジプトにはそれが欠けている。だから日本のように豊かな国になれないんだ」と語る。中東での日本の存在感は、歴史的につながりが深い欧米に比べると小さい。だが、日本をお手本にと考える人も少なくない。誇らしいと同時に、「失望されないように襟を正さないと」とも思う。(大内清)
産経新聞 10月22日(火)
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