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2018年6月 6日 (水)

ケーブルで音が変わる理由5 縦振動と横振動

 ケーブルの交換によって音質は変化しますが、その理由について書いています。まず電気的特性による変化は小さく、また心理効果によって変化して聞こえる現象も大きなも影響はないと推察しました。

 次に、振動について、前回はケーブルの振動によって音質が変化することについて、7つの根拠を挙げて議論しました。

 振動には縦振動と横振動があります。縦振動は波の進行方向に振動する(ケーブルでいうと伸長方向)波動であり粗密波です、横振動とは波の進行方向と垂直な方向に振動する波動です。タイムドメインの由井社長はオーディオの音質に影響するのは縦波であるとの考え方を提示しており、私はそれによってケーブルによる音質変化は決着していると考えています。ここではそのことの妥当性検証として、ケーブルの横振動が音の影響しないと思われることについて、理由を書いてみたいと思います。

・縦振動のほうが伝わりやすい
まず、単純に、横振動はケーブルのズレを伝播する波であるので、密度を伝播する縦振動にくらべて距離を伝わりにくいということがあります。遠くまで伝われば、その分だけ影響しやすくなります。

・横振動によって音質変化を生じる機構が不明である。
ケーブルが横振動するとどのような機構で音質変化を生じるのでしょうか。一つは、ケーブルが左右(上下)に振動したときにフレミングの右手の法則により電流を発生する現象が挙げられます。この電流発生には磁場が必要ですが、機器外部に出ているケーブルについて地磁気くらいしか働きません。地磁気だけのところで電線が運動したところで、全く問題はなさそうです。

 なお、フレミング右手の法則による起電力の大きさは
磁界B[T]
導体の速度v[m/s]
導体の長さl[m]
磁界と導体のなす角θ[°]
として、誘導起電力e[V]は、
e=Blvsinθ[V]
となります。

ケーブルが周波数1kHz、振幅0.05mm(目視できない程度の大きさ)で振動しているものとし、地球磁場を45μT、sinθを0.9とすると

e=6.4[μV/m]となります。

これは非常に小さい値ではないでしょうか。

 通信の規格によっては微妙に変化する可能性も全くなくはないのでしょうが、それならそれで小さい電圧の信号を使っている場合に限ってケーブルのよる音の違いがあるということになるはずであり、観測事実と一致しません。また、ケーブルの方角による変化も報告されていません(ただし、こちらは一般には変化幅が小さいため、わからなくても当然かもしれません)
このことを考えると、「ケーブルの横振動とフレミングの右手の法則による音質変化はない」と言ってよいと思います


 ・横振動しにくいケーブルの音質は良いわけではない
 ケーブルを太く重くすれば横振動しにくくなりますが、太く重いケーブルほど音が良いという現象はありません。
 また、振動対策としてケーブルに重しを載せたり、上下から挟み込んだり、留め具で固定したりする手法もあります。これらは横振動を強力に抑制します。同時に縦振動にも変化をもたらし、音質は変化しますが、むしろ音が悪くなったり、あるいはある部分はよくなるが、固有の色がつくなど一長一短である」例が見られ、必ず良くなる手法ではないようです。


 以上3つの根拠により、ケーブルの横振動はケーブルによる音質変化の主要因ではなく、ケーブルの振動により音が変わるならば、それは縦振動が原因と推測されます。

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2018年5月13日 (日)

ケーブルで音が変わる理由4 振動で音が変わる7つの根拠

 ケーブルの話が続きます。

 繰り返しになりますが、ケーブルで音質が変化する原因については、タイムドメインの由井社長が、ケーブルを伝わる縦振動が原因であるという考え方を示しています。私はこれをもってケーブルで音が変わる主な原因については決着したものと考えています。しかし、だれもこのことについてまとめて書くものが現れず、一方で、いまだに、やれ、ケーブルを変えても電気的特性はわずかしかかわらないからケーブルで音はかわらないとか、いやそのわずかな電気的特性の変化を人間は聞き分けるのだとか、やれ心理効果だといった主張が多くみられるため、書き手としての力量、資格に疑問を持ちながらも書いているところです。

 ケーブルで音が変わる原因として、これまでに電気的特性による影響はマイナーと思われること、そして、心理効果による影響も、すくなくともオーディオケーブルの音質評価を俯瞰する際には考慮するほどのこととは考えられません。
 そこで、その次として、振動の影響について書いていきます。固い電線に指を触れると電流が観測されるため、振動は電流の影響することが考えられます。振動によりケーブルの音質が実際に変化していると考えられる根拠について列挙します。

・かないまる氏の「ケーブルのへそ

 かないまる氏はケーブルの振動をコントロールして音質を調整する方法として、ケーブルの途中にテープを巻付け、テープの種類や巻付位置によって音質を調整するという方法を提唱しています。この場合、テープを巻いた位置では電気的特性が変わりますが、あまりにも小さく問題にならないと思われます。さらに、ケーブルの途中のどの位置にテープがあってもそれによるケーブル全体の電気的特性は一切変化しません。
 ですから、この方法により音質が変えられることは振動によりケーブルの音質が変動していることを示しています。

・コンセントカバー(コンセントベース)によって音質が変わる
 オーディオ機器に給電するAC電源ケーブルによって音質が変わりますが、ケーブル本体のほか、電源プラグやコンセントを変えても音質が変化します。さらにコンセントカバー(コンセントベース)によっても音質が変わります。コンセントカバーは電源ケーブルと接触していないため、電源ケーブルの電気的特性を変えません。コンセントカバーがシールドになると思うかもしれませんが、コンセントの外側はシールドされていないのが普通であるので、コンセントカバーのみではシールドとしての効果はほとんど期待できません。したがって、電源ケーブルへ伝わる振動を変えることにより音質を変えていると考えられます。

・ケーブルスタビライザーによって音が変わる。
 ケーブルの下に設置したり挟んだりしてケーブルの振動対策を行うケーブルスタビライザーという製品があります。このような製品を使用する、また、製品ではなくても洗濯バサミなどでケーブルを浮かす(これは音が悪くなるようですが)ことにより、音質をかえる事例があります。ケーブルスタビライザーはケーブルの電気的特性をほとんど変えないため、ケーブルの振動が変化したことにより音質が変化する事例であるといえます。

・オーディオ機器は振動対策により音が変わる
 アンプやCDプレイヤー、DACだけではなく、PC本体や音源ファイルを保存するNAS、USBハブにおいてもおよそオーディオ用の機器は置き場所やインシュレーター、鉛テープ貼り付けなどの振動対策によって音が変動します。このことを考えるとケーブルだけがその例外であるとは考えにくいところです。


・金・銀・銅といった線材により固有の音質傾向がある。
 金線、銀線、銅線といった導線材料は固有の音質傾向を持っていると言われています。金、銀、銅は電気的特性が異なりますが、大きな差があるわけではなく、太さや長さ、構造を変えれば容易に逆転するものでしかありません。したがってこれらの音質の違いは材質の機械的な物性によるものと考えたほうがより蓋然性があります。


・ケーブルの固さや手触りなどの機械的な物性が音の影響する
 アナログケーブル、デジタルケーブル、電源ケーブルとも、固いケーブルは固い音、柔らかいケーブルは柔らかい音というようにケーブルの機械的な物性は音質と相関があることが知られている。このような物性は電気的特性とは相関がないため、振動が関係していると推測できます。

・同一製品の色違いケーブルで音が違う
 同一製品の色違いならば、導線の材質・構造は同一と推定され、被膜のみが異なると考えられます。このような色違いケーブルでも色によって音が異なることがわかる場合がある。電気的には静電容量が微妙に変化しますが、それが原因ならば長さを変えると音質が逆転するはずであるので、皮膜の機械的な物性による可能性が高いと思われます。

 まだまだあるかもしれませんが、これらによりケーブルの振動が有意に音に影響していることは間違いのない事実と考えられます。


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2018年5月12日 (土)

ケーブルで音が変わる理由3 心理効果(プラシーボ)

 ケーブルの音質変化について、ケーブルの電気的特性に続き、引き続き書いていきます。
 ケーブルによって音質が変わるか、ということについての見解は、大体、

1.ケーブルを変えることによる電気的特性の変化は極わずかであり、したがって音はほとんど変わらない。変わって聞こえるのは思い込みによる心理効果である。

2.ケーブルを変えることによる電気的特性の変化は極わずかであるが、それによっておこるわずかな音質の変化を敏感な人間の耳は聞き取ることができる。違いが分かる人間のために、良好な電気的特性を持ったケーブルが必要である。

3.ケーブルによって音は変化する。電気的特性が影響すると思われるため、電気的特性の向上対策を施したケーブルが望ましい。また、経験的には振動が影響するので、ケーブルには振動対策も施すべきである。

4.ケーブルの音質は振動を支配的な要因として変化する。

 このうち1はケーブルで音は変わらないとする意見、2~4は変わるとする意見ですが、このうち1で主張される心理効果について、検討します。

 良い音のはずである等の思い込みによって音が変わって聞こえる現象は定性的には間違いなく存在しますが、それはどのくらい支配的なのでしょうか。

 例えば、有名な「オーディオの科学」の管理人である志賀正幸氏はこう書いています(ただし、(専門ではない)心理学や脳科学についての問題であるので素人考えであると断ってはいます)。
(前略)
したがって、超高純度の銅を使ったり、凝った構造をした、高価なケーブルに変えて音が激変したという話しはまず心理効果と見て間違いないでしよう。
では、ケーブルの音質評価はどうなっているのかというと
・高純度銅を売りにしたケーブルはあるが、銅の純度が高いほど(高い純度を主張しているほど)音質評価が高いという現象は見られない。

・ケーブルの音質比較において、価格の低いケーブルの評価がより価格の高いケーブルを上回ることがあり、価格が高いほど評価が高いというはっきりした相関はない。(ただし、同一メーカーの製品については価格が高いもののほうが高音質である傾向がある)。

・上記の現象は、検聴者がもっている思い込みがバラバラであり、たとえば高純度銅に良いイメージを持っている者もいれば、高価格が良いと思い込む者もいることによるとの反論があるかもしれないが、それぞれのケーブルの試聴結果はランダムではなく、製品により一定の傾向があることからイメージに基づく思い込みで音質評価が大きく影響されている可能性は低い。

・ケーブルの交換は、音質が向上することを期待して行うことが多く、それによって交換した後のケーブルを期待感により高評価してしまうことが考えられる。しかし、期待してより音のよさそうなケーブルに変更したが良くならなかった、むしろ悪くなったという事例が一定数存在する(エージング不足などによりその後良くなったとしているものも心理効果に支配されなかったという意味では同様なのでこのケースに含まれる)。

・USBケーブルやLANケーブルでは、音が変化するというイメージが持ちにくい。また、オーディオ用USBケーブルやオーディオ用LANケーブルが登場する以前から通常のPC用ケーブルを使ったこれらの比較試聴による音質変化が報告されている。このような比較試聴の場合、特にどのケーブルが高音質であるかの予断は持ちにくいはずであるが、それでも違いや優劣が報告されている。

以上のような状況があるが、果たして心理学的には説明がつくのか、大いに疑問であり、ケーブルの音質変化に占める心理効果の寄与は限定的ではないかと考えています。


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2018年5月 6日 (日)

ケーブルで音が変わる理由2 電気的特性による音質変化2

 前回の記事に続き、ケーブルの電気的性質による音質変化がマイナーな効果しかないと考えられる別の理由について、列記します。

 スピーカーケーブルの抵抗によるダンピングファクターの変化による音質への影響については広く認められているところでありますが、これについては別に書くこととし、そのほかの電気的特性について書いていきます。

・抵抗値が高音質をもたらす可能性について
 抵抗を下げてやればもしかしてよい音になるのではないかとは考えがちなところだと思います。オーディオケーブルの世界では抵抗値が低い高純度銅を使ったケーブルが販売されています。これについては純度を高めることによるわずかの抵抗の低下の効果を疑問視する意見や、低抵抗が功奏する理論的根拠がないことからの批判があります。
 私が注目したいのは、高純度銅のケーブルを売っているメーカーは高純度についてはアピールしていますが、低抵抗だから高音質との明確な主張がないところです(筆の勢いで書いてしまったような記述はわずかにあります)。外野からの批判だけでなく、販売しているほうも主張していないのですから、低抵抗が高音質をもたらすとは誰も主張していないことになります。このことは低抵抗が高音質をもたらすものではないことを意味していると私は考えます。

・あらゆる種類のケーブルでケーブルによる音質変化があること
 ケーブルによる音質変化については、とくにアナログケーブルについて電気的性質であるL,C,R表皮効果に原因を求める見解があります。当然これらによって少しは音質が変化することは事実です。このことによる音質変化を主張する場合、デジタルケーブルについては言及しないかまたは変化について否定的な傾向があるように思います。ただし、実際にはアナログケーブルだけではなく、デジタルケーブルでも、USBケーブルやLANケーブルでも、さらには電源ケーブルでもケーブルによる音質変化が認められます。
 L,C,R,表皮効果が音質変化の主要因であるとすると、アナログケーブルは電流の変化がそのまま音になりますが、デジタルケーブルや電源ケーブルには異なる効き方をするはずです。それよりは、あらゆるケーブルに音質変化をもたらす共通の原理を考えたほうが、より説明がつきやすいはずです。

・ケーブルによる音質変化が多彩であること
 ケーブルにはそれぞれ音質に個性があり、多彩な変化を見せる。アナログケーブルの音質はL,C,R表皮効果による電流への影響を反映して定性的には変化するが、これが音質変化の主要因であるとすると、4つだけのパラメーターで多彩な個性を再現できるかという疑問がわきます。仮に、この4つのパラメーターでケーブルの音質変化が生じるとすると、これらはパラメーターごとの音質変化傾向がすでにまとめられそうですが、そのようなものはありません。したがって、L,C,R表皮効果は音質変化の主要因ではないと思われます。
 デジタルケーブルについて考えると、L,C,表皮効果はどれも矩形波の角を丸めて正弦波のような形状に近づける効果であり、似たような変化をもたらすと予想されます。L,C,(R),表皮効果が音質変化の主要因であるとして、それならば、デジタルケーブルによる音質変化は一方向になってしまいます。そうすると、音の異なるケーブルであっても、長さを調整して、ほぼ同じ音にすることが可能であることになりますが、そのような事実はありません。
 電源ケーブルでも交換により様々な音質変化がありますが、L,C,R表皮効果の影響ということならば、柱状トランスまたはブレーカーからの全延長分の電気的性質が影響するはずであり、末端の電源ケーブルのみの交換では電気的性質の変化が非常に小さく、多彩な音質変化を説明することは困難です。また、電源フィルターを挟むと、大きなL,Cが入ることになるため、電源ケーブルによる変化は電源フィルターに比べて無視できるくらい小さくなるはずですが、実際には、電源フィルターを挟んでも電源ケーブルで音が変わります。したがって電源ケーブルにおいても、L,C,R表皮効果は音質変化の主要因ではないと考えられます。

・電気的性質について対策を施したケーブルの評価
 電気的性質について、対策を施したオーディオケーブルがあります。オーディオテクニカのこちらのラインケーブルはインダクタンスの低減対策を講じたケーブルですが決して最高評価されているケーブルではありません。

・測定してみても
 こちらのサイトではラインケーブルを多数聞き比べ、合わせてLCRメータで測定を行っています。測定精度は不明ながら、こちらのサイトでは音質と電気的特性は必ずしも一致しなかったと書かれています。

・許容電流値は関係あるのか
 特に電源ケーブルによる音質変化について、許容電流値による電力供給能力により、音質に差が出るとする主張があります。これが本当ならば、消費電力が大きく、かつ電力変動が大きい大出力のパワーアンプでは電源ケーブルによる音質差が大きいが、プリアンプやDACではそれほどではなく、DDCやドライブを外付け化し余計なタスクが動いていないPCなどでは電源ケーブルではほとんど音質差が出ないといった現象が予想されますが、PCやDACの電源ケーブルでも音質の変化があります。また、許容電流値が問題ならば電源ケーブルが温まるにしたがって音が悪くなるような現象もありそうですが、聞いたことがありません。したがって、許容電流値は電源ケーブルによる音質変化には関係がないと考えられます。

以上のような理由で、ケーブルの電気的特性による音質変化はマイナーなものでしかないと考えています。内容に間違いなどございましたら、指摘いただければ幸いです。


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2018年5月 1日 (火)

ケーブルで音が変わる理由1 電気的特性による音質変化1

 オーディオにおいて単なる電線の交換でなぜ音が変化するのか(本当に音が変化するのか)ということは長年論じられてきました。

 本当に音が変わるかどうかということについては、変化が聞き取れてしまえば疑いの余地はなく、多くの方がケーブル交換による音質変化を報告しています。したがって、ケーブルにより音質が変化することは疑うことの出来ない事実であるとしか考えることが出来ません。

 音質が変化する原因については、タイムドメインの由井社長が、ケーブルを伝わる縦振動が原因であるという考え方を示しています。この考え方がケーブルによる音質変化を非常にうまく説明できるものであり、逆に、これ以外にはケーブルの音質変化をうまく説明できる論理は出てきていません。
 ですので、私は、本来すでに決着しているものであると考えています。ここからは、なぜ縦振動が原因で音質変化が生じるという考え方が妥当であるのかを論じていきます。
 まあ、私ごときが書くのか?という疑問は大いにあるのですが、待っていても誰も書きそうにないので筆を取った次第です。

ーケーブルの電気的性質で音が変わるか?その1-
 ケーブルで音が変化する原因として、まず考えがちなのはケーブルの電気的性質による音質の変化です。このことを検討した例として、オーディオに関する有名なサイト「オーディオの科学」があります。
 このサイトは、「あまりお金をかけずに演奏会にできるだけ近い雰囲気で家庭で音楽を再現するために、どのようなオーディオ装置を構築すればよいかを物理学的、技術的側面から検討した」と称しており、その記事の中で、スピーカーケーブルが音質に影響を和える可能性のある要素として、次のものを挙げています。
 (1) 直流抵抗値 (2) 表皮効果 (3) 静電容量 (4) 自己インダクタンス (5) 自己振動によるロス (6) その他、渦電流損失など
 このサイトでは、これらの影響の計算結果(主に周波数特性の変化)を示しています。その結果によれば
 (1) の直流抵抗については、

・抵抗による損失により
若干のパワーロスがある。
・抵抗がダンピングファクターに影響し、制動力低下がありうる。

としています。少し離れたところでは、もともとダンピングファクターが低いアンプならば影響は少ない、また、一般的にはダンピングファクターは20もあれば十分とする見解を紹介しています。

(2) 表皮効果 (3) 静電容量 (4) 自己インダクタンスについて、計算例を示し解説しています。それによれば、
(4)が最も効果があるが高域に微妙に効くかもしれない程度であり、ケーブル長が非常に長くない限りは可聴帯域では問題とならないとしています。
 示されている計算結果について一つ紹介すると、最も影響が大きい自己インダクタンスについてはある条件の並行2線ケーブル(長さ4m)について試算し、20kHzで位相遅れ3.5°減衰-0.016dBという計算結果を示しています。かなり小さい数値のうえ、ケーブル同士の相対値ならばより小さいため、これば原因でケーブルで音が変わるということは考えにくいと思います。

(5) 自己振動によるロスについては抵抗によるロスの1億分の1程度であり(できればdBで書いてほしいと思いますが)全く問題にならないとしています。なお、自己振動とは往復のケーブルに電気信号が流れることにより働く引力と斥力によりケーブルが左右に振動する現象のことです。

(6) その他、渦電流損失などについては特に根拠を示していませんが、可聴域では問題にならないはずだと書いています。

 さらに、このサイトの別のページでは同軸構造のピンケーブルについても同様の要素で論じており、それによれば同軸構造の場合はLよりもCが支配的であるという点が異なるが、やはり上記要素の影響は小さく、問題になるものではないとしています。デジタルケーブルについても項目を設けていますが、データーは変化しないこと、ジッターの変化は検知限界以下であるとの研究結果を引用しケーブルによる変化はないと述べるにとどまっています。

 これらを読んでみて、周波数特性ばかり強調し、波形そのものの変化はどうなか述べられていないところが気になりますが、影響が微小であるというところは間違いなさそうに思います。

 また、この「
オーディオの科学」におけるケーブルに関する計算について「AVケーブルの教科書」というサイトが批判を行っています。この「AVケーブルの教科書」においては計算方法の批判のほか、周波数特性の変曲点が音質上問題があるとの推測や、人間の耳が捉える波形の変化を考えれば可聴域と呼ばれる20kHz以下だでなくもっと上の周波数特性も影響するはずであると主張しており、だからケーブルの電気的特性により音質は変わるとの立場をとっています。

 しかし、
AVケーブルの教科書」とオーディオの科学」に載っている結果を見比べると、大局的にはどちらの計算結果もあまり変わりません。また、AVケーブルの教科書」はわずかな電気的な違いが大きな音質差を生むことに対して理由づけを述べることができていません。
 これらのことからすると、「オーディオの科学」が主張する電気的性質による音質への影響は軽微であるとの結論は動かないのではないかと私は見ています。
 この「電気的性質による音質への影響は軽微である」と考えることの別な根拠については次のエントリーで述べたいと思います。

(念のため繰り返しますが、私はケーブルで音が変わることは動かない事実であると考えています。)

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2018年4月19日 (木)

私のオーディオシステム費用

 これまで、2012年5月から私の使用しているオーディオシステムについて少しずつ紹介記事を書いていました。2014年10月までかかってにいったんすべての紹介を書き終えました。その後は、以降の追加導入機材や音質向上対策について、追記していきました。

 前回の記事で、ぜひやりたいと思っていた対策がすべて完了したため、オーディオシステム紹介も再度、区切りを迎えることになりました。

 これまでかいとオーディオシステム紹介についてはこちらにリンクをまとめています。また、システム構成略図についてはこちら(再生系)こちら(リッピング系)に掲載しております。

 これら154項目から構成されるオーディオシステムの構築費用について、書いておきます。なお、価格は実際に入手にかかった費用を積み上げており、ポイント等により安く入手したものもその時払った料金を価格としており、もらうなどして無料で入手したものは0円としています。また、使用しているYoshii9はアンプ+スピーカーのセット販売であり、スピーカーの単体販売はされていないため、当時のアンプ単体価格とケーブル価格を差し引いてスピーカー価格を推定しています。

アンプ         
      128,000円
スピーカー
      186,500円
インシュレーター
      299,600円
CDアクセサリー
      193,378円
電池
      478,411円
その他電源アクセサリー
      150,601円
機器チューニングアクセサリー
       60,771円
その他アクセサリー
       53,998円
ケーブル
       14,360円
ルームチューニング
       53,836円
その他
       62,899円
PC
      276,720円

合計  1,959,074円

合計約200万円のシステムとなりましたが、電池が約50万円、電池、ケーブル以外のアクセサリーが約76万円とここに大きなコストがかかっています。コストバランスなどは考えず、自分なりに最高を追求した結果です。


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2018年4月14日 (土)

システム紹介154 アンプYA-1を駆動する電池へのインシュレーター3

 Yoshii9の専用アンプであるYA-1については充電池により駆動していますが、その電池に対するインシュレーターを設置しています。これらはブログ「Yoshii9を最高の音で聞こう!」に書かれた手法の追試でありますが、今回が最後の機器となりました。私のシステム紹介もまた、一つの区切りとなります。これまでのシステム紹介記事はこちらにまとめて掲載しています。

 ブログ Yoshii9を最高の音で聞こう!」においては、YA-1を駆動する電池ボックスへのインシュレーターとして、上から

オーディオリプラス OPT-1 HR

東海工機 シュアフレックス3J

ルーペ&ペーパーウエート745(フクロウ)

と重ねるとしています。これはアンプYA-1へのインシュレーター から、最上部のシリコンゴムシートと黒壇スパイク受けPB-10を除いたものです。

 OPT-1 HRとシュアフレックス3Jはすでに設置しています。今回ルーペ&ペーパーウエート745(フクロウ)が必要数そろったため、電池ボックスしたのインシュレーターの最下段に設置してみました。

Photo

フクロウチーム出撃です。


Photo

 フクロウ軍団が加わったインシュレーター群を装備した電池ボックスです。

 比較してみると、聞きようによっては変化幅は小さいとも言えますが、それでもはっきり変わりました。上2つのインシュレーターとよく似た傾向の変化ですが、楽器の質感が向上し、ビブラートなどがよりしっかりと聞き取れるようになり、コクの深い音となりました。また、背景の雑音が低減され、純粋に録音された音が聞こえるようになる変化も感じられました。

 このような普通試さないような、かつ効果的な音質向上策を掲載していたYoshii9を最高の音で聞こう!は本当に素晴らしいブログでした。閉鎖されてしまったことは本当に残念です。(なお、閉鎖直前の記事以外はアーカイブで読むことができます。)このブログに掲載された音質向上手法のうち、電池へのインシュレーターは追試してみる方が特に少なさそうに思えますが、確かな効果が私のところでも確認されましたので、高音質のオーディオを目指すならば、ぜひやってみるべきものであると思います。


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2018年2月17日 (土)

戸矢学 「ニギハヤヒ」

 神武天皇の東征以前に畿内を治めていた王であるニギハヤヒについての書籍です。
Img_3128
 ニギハヤヒは神武天皇よりも先に畿内に天下りしていた天神とされており、神武東征の時に、神武天皇に国を譲ったことになっています。また、ニギハヤヒの子孫は物部氏となります。日本古代史上の重要人物ですが、記紀ではニギハヤヒの出身などはそれ以上説明されておらず、また、神武東征時点で国を譲ったのがニギハヤヒその人なのか、ニギハヤヒはすでに故人あり、息子のウマシマジの代の出来事であるのか、記述にばらつきがあります。
記紀では皇室の祖先の系譜は次のようになっています。
天照大神
アメノオシホミミノ命
❘       ❘
ニニギノ命  天火明命
ホオリノ命
(山幸彦、ヒコホホデミノ命)
ウガヤフキアエズノ命
神武天皇
 一方で物部氏の歴史を記した書である「先代旧事本紀」ではニギハヤヒの出自は明記されています。ニギハヤヒのフルネーム(?)は「天照國照彦天火明櫛玉饒速日尊」(あまてるくにてるひこあめのほあかりくしたまにぎはやひのみこと)となっており、天照大神の息子であるアメノオシホミミ命の息子でありニニギ命の兄である天火明命と同一神であるとしています。
 「先代旧事本紀」の通りであれば非常に面白いです。それならば、初期の天皇が物部氏の女性と多く結婚していることも納得できます。また、神武天皇と天照大神の間の本当のの世代数のヒントにもなりえます。そして、天照大神の子孫たちが各地に天下ったのではないかなどと想像も膨らみます。
 この書籍はそんな物部氏の祖にして日本史上の重要人物であるニギハヤヒについて考察したものです。
 神武天皇とニギハヤヒはどちらも天つ御璽(みしるし)をもつ天照大神の子孫ある。それなのに、先に天下っていたニギハヤヒは後から来た神武に帰順し、支配権をあっさりと譲ったように記紀には書かれています。そして、なぜそうなったのか全く説明はありません。このあたりのことについて追及してみたと筆者は言っています。
 筆者である戸矢氏は神道の専門家であり、神社や神道に関する知識を生かして、論を進めようとします。読み始めると、序盤には納得できる論もいくつかありました。特に、人は死後、神となるのであって、神と書いてあるから架空なのではなく、神とは人であるという趣旨の記述にはその通りと頷首しました。また、神となった古代の重要人物たちが全国の神社でどのくらいまつられているかというデータも参考になることがあるかもしれません。
 このような本であるため、「神道ではこのように考える、だから、この事象はこのように解釈できる。」といった議論を期待したくなるのですが、後半に進んでくると、これはこうだ、」これはこうだといった、根拠を示さない決めつけの羅列になっていっていしまい、全くロジックを追うことができなくなります。これでは議論になりません。
 ニギハヤヒという重要人物について神道の立場から迫ったという実に興味ぶかいテーマの本書でしたが、結局は論の体をなしていないものというしかありません。筆者にはぜひより明瞭な論理展開からなる探求を期待したいところです。

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2017年10月28日 (土)

総選挙の結果

 総選挙から約一週間経ちました。
 選挙の結果は多数をも持っていた自民党が現状維持であり、自民党大勝利と言えると思います。自民党はもっと伸びてよかったと思いますが、モリカケによる悪印象(実際は安倍首相にはなんら問題ないわけですが)が残っていることによるのでしょう。
次のグラフは出口調査による年代別の比例代表投票先です。
ニュース画像
 
(ソースはhttps://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2017_1024.html)
 世代別の得票では若い世代の自民党支持が今回も堅調であり、20代では自民党が50%ほどとっているようです。1960年代からの自民党の長周期低落傾向は2010年代で終わり、今後は長周期上昇となることが期待されます。
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2017年10月21日 (土)

明日は総選挙

 明日は総選挙です。
 論戦、いつもながらいまいちですね。
 北朝鮮や中国に対しては事実上議論なし。これでいのか
 経済については消費税増税中止が望まれるところです。しかし、増税反対の党についてみていくと、維新は「身を切る改革」つまり公務員人件費の削減などで財源を出すといっており、財政出動で景気を温めるという発想ではない。立憲民主党は菅政権の負の実績があるので信用できない(もちろん政治的には全く支持しませんが)。ということで、一応増税中止のにおいも若干させている自民党かなあと思っています。
 
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