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2019年10月22日 (火)

バカの壁

 だいぶ以前の本になってしまったこの本ですが、購入したまま読んでいなかったので、いまさらながら読んでみました。

バカの壁 [書籍]

 売れた本だけあって、読みやすく、サクサク進みます。初めは現代社会で重要な一般的な情報リテラシーの話、つづいて個性を伸ばすよりも共通理解が大切、個性の発揮よりも他社の理解が大切といった話などが並んでいます。

 内容的にはちょっと薄いです。なるほどと思うところもあるものの「現物のリンゴと頭の中にある情報としてのリンゴは異なる」といったような「それはそうだが・・それで?」という主張も多くあります。概ね「説教臭い愚痴」といったところでしょうか。

 そこまで極端ではないものの、「文明を忘れて、自然に帰ろう」的な雰囲気のある主張だと思います。この本を読んで積極的に何かを得られる、考えさせられるといった要素はあまりありませんでした。

 ということで、たくさんある考え方の一つとして、ちょっと読んでみるのもよいとは思いますが、私としては買って家に置いておくほどの本とは思えませんでした。まあ若い人の中にはこの本が刺さる・必要な方もあるかもしれません。

 

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2019年10月14日 (月)

試験湛水中の八ッ場ダムが台風で一気に満水近くに

 紆余曲折を経た八ッ場ダムでしたが、今年(2019年)6月に本体コンクリートの打設をすべて完了し、10月1日よりダム本体工事の卒業試験となる試験湛水を開始していました。出水時期を避けて冬に実施される試験湛水ですが、八ッ場ダムについては満水になるまで3~4ヵ月かかる見込みとのことであったので、その後の水位低下の日程も考えて1月には満水に達するようにまだ大雨の可能性がある10月に開始したということだろうと想像します。

 試験湛水を始めたばかりの八ッ場ダムでしたが、今回の台風19号による大雨によって、一気に満水近くになったようです。(八ッ場ダム、一気に「満水まで10m」…台風で54m上昇

 大雨を飲み込んだことにより、下流の水位を下げる効果は間違いなくあったでしょう。ダムのある利根川水系吾妻川では12日には氾濫注意水位は超過していたようです。また、八ッ場ダム以外に利根川上流で運用中の8つのダムでは合計1億㎥ほどの流水をため込んだようです。どのくらい効いたかは今後の検証に注目したいと思います。

 治水用のダムのような自然災害への対策施設はごくたまにしか、効果を発揮することはありません。また、どのくらい効果があったかは後で検証しないと情報ができてきません。さらに、その数すくない効果発現のときにはその施設が守っているところ以外のところで災害が多発するため、報道もそちらに集中してしまう結果、施設が災害を防いだというニュースはあまり発表されません。2018年の台風21号では関西国際空港が水没するなどの大きな被害が発生しましたが、一方で、大阪湾や淀川に築かれていた堤防・水門が海沿いの大阪市街地を高潮から防御し、1300億円の建設費に対して17兆円の防災効果があったとのことですが、ニュースとしては見た記憶がありません。2017年の九州北部豪雨では、ダムのある河川が被害を免れるということがあったようです。

 今回の八ッ場ダムについては、群馬県内で今回氾濫した河川がなかったことから考えると、おそらく「八ッ場ダムが利根川を救った」というほどの美しい物語にはならないように思います。しかし、ダムが治水効果を発揮することの印象的な事例として、ある程度の注目を集めたことはよかったと思います。

 

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2019年10月 3日 (木)

スピーカーケーブルの抵抗はどこまで上げてよいか?

 これまで、オーディオシステムにおいてケーブルの選択によって音が変わる理由や高音質ケーブルの条件について考えてきました。その結果、ケーブルで音が変わる主たる原因は縦振動であるというタイムドメイン由井社長の主張が確認できました。そして、高音質ケーブルの条件としては、振動を伝えないために「柔らかいこと」が最も重要な条件であるらしいことがわかりました。由井社長はケーブルは細ければ細いほどよいとしていますが、ケーブルの太さと音質だけを見ると、必ずしも細いものほど高音質とは限らないように思えますが、振動の伝わり方は細さだけでは決定しないことによるのでしょう。細く作ったほうが柔らかくなりやすく、類似の材料と構造で作られているば、細いケーブルのほうが柔らかくなり、音質上は有利になると思われます。

 ところで、オーディオファンならば常識ですが、アンプの制動力を示すダンピングファクター(DF)という指標があります。これはご存知の通り、DF=(スピーカーのインピーダンス)/(アンプの内部インピーダンス)+(スピーカーケーブルのインピーダンス)で表され、大きいほど制動力があり、小さすぎると余計な余韻が付いたたるんだ音となります。

 DFと音質の関係として、よく引用されるものは下記のものです。
Dfctorgh

 ダンピングファクターと周波数特性の変化

出典: 「強くなる!スピーカ&エンクロージャー百科」誠文堂(1980) P38

 この図を見ると、DFが3を超えると変化が小さくなり、10以上ではDFの違いによる音質変化が極めて小さくなることが推測できます。このため、DFは20もあれば十分などと言われてきました。

 ここで、たとえばスピーカーのインピーダンスを8Ω、スピーカーケーブルのインピーダンスを0.03Ωとしたときに、DF>20とするためには内部インピーダンス0.37Ω以下(カタログ上DF>21.6)のアンプを用意すればよいこととなります。トランジスタアンプならばこの程度の製品はたくさんあるでしょう。スピーカーケーブルは太めで抵抗(電線ならば直流抵抗≒インピーダンス)が小さいものを選べば0.03Ω未満程度なら簡単に実現できるため、このようなケースであれば、スピーカーケーブルの抵抗の影響はわずかであり、また、さらに抵抗の小さいスピーカーケーブルを使ったところでDFが(スピーカーのインピーダンス)/(アンプの内部インピーダンス)の数値に近いていくだけです。そのため、さらに低い抵抗のスピーカーケーブルを使う意味はなく、ケーブルの抵抗を気にする必要はないといえます。

 ところが、ケーブルが細いほうが音質上有利であるという話になってしまうと、状況が変わってしまいます。細いスピーカーケーブルは電気抵抗がそれなりに存在し、DFを下げる要因となるため、DFはどこまで下げてもよいか、下限を見極める必要が出てきます。

 例によってタイムドメイン由井社長の発言から拾うと、スピーカーケーブルの抵抗値は1Ω程度以下を目安とすると述べていますhttps://www.facebook.com/timedomain/photos/a.119482074850606/691913014274173/?type=3&theater 。(同時に抵抗をめちゃくちゃ下げるのは無意味としています)

 タイムドメインの製品で見るとYoshii9のスピーカーケーブルは0.2sqのライカル線であり、標準では延長が約3mです。往復6mならば抵抗は0.56Ωとなり、1Ωの目安に対して多少の余裕があるようです。また、ライカル線にはさらに細い0.1sqの製品がありますが、こちらを往復で6m使用すると1.12Ωとなり、1Ω以上となるため、0.2sqを採用したのかもしれません。ただし、電気抵抗ではなく断線しにくいための強度を考慮して0.1sqではなく0.2sqを選定したということも考えられますので、1.12Ωという電気抵抗値を高すぎると判断したとは言い切れません。

 この0.2sqのライカル線ですが、標準で採用されているYoshii9の試聴記や数は少ないものの他のシステムに組み込んで使用しているブログ等を見る限り、ダンピングファクター不足と思われる症状は出ていないようです。私もYoshii9のほか、イクリプス307を使ったサブシステムにも0.2sqライカル線を片道2mほどで使用していますが、とくに支障は感じません。

 そこで、このライカル線と同程度以上の抵抗を持つスピーカーケーブルを使った試聴記をいろいろと調べてみたいところではありますが、スピーカーケーブルとして一般に使用されている電線はより太く電気抵抗が低いものが大半であり、通常の長さで1Ω付近やそれ以上の抵抗となるものがなかなかありません。極細のスピーカーケーブルを使用してみたとする記録でも、ライカル線よりも太いものが多く、あまり参考になりませんでした。ただし、ライカル線よりも太いものの、一般的なスピーカーケーブルからみれば極細の部類に入るものを利用しても、音質的には向上したという趣旨ものもが多く、また、明確にダンピングファクター不足が生じたという事例は皆無であることから、幅広いシステム構成においても、ライカル線以下の抵抗値のスピーカーケーブルであれば支障がなさそうだということがわかります。

 長尺のスピーカーケーブルを使えば、高い抵抗値でどうなるのかを試すことができますが、これについても家庭のオーディオでは必要にならないため、事例があまりありません。唯一まとまった量の試聴結果がみられるのが、プロケーブルの「音の焦点合わせ」です。まあ、これとても、「解像度を上げると音がキン付き、スピーカーケーブルを伸ばして音を緩め調整しなければキツくて聞けない」という症状が発生するシステムのデータしかないので(なお私としてはこのような調整が不要であるシステムがオーディオシステムとして正しいものであると考えています。)、どのくらい使えるデータなのかという疑問は残ります。それでも実施結果をまとめてみると(https://star.ap.teacup.com/teoclete/179.htmlに一覧表がまとめられています)。チャイムコードでは往復抵抗値が1Ωになるのが15m程度、VVF1.6だと50m程度となることから、抵抗値が1Ω前後以上のところで調整しているように見受けられ、ダンピングファクターの低下によって音質が大きくなり始めるところがスピーカーケーブルの抵抗1Ωあたりなのではないかと推測できます。

 極細スピーカーケーブルの有用な試験となるとやはりたくぼんさんのブログに依存となってしまします。

スピーカーケーブルの考察

http://tackbon.ldblog.jp/archives/51548173.html

これによると、1Ω以下のケーブルは抵抗が大きいことによる不具合は出ていませんが、6.4Ω/5mの電話線、16.9Ω/5mのRSCB芯線では「音が劣化してエコーがかかったようになった」と述べています。

 

 Yoshii9使用だと、このような記録もありました。

Timedomain yoshii9用超極細自作スピーカーケーブル(0.025mm(25μm))

 この事例だと、0.025mm(25μm)のスピーカーケーブルをYoshii9に取り付けています。これだと抵抗は数十Ωになっているように思いますが、非常にクリアな音になったとしています。こちらはどう考えればよいのか、悩みます。

 まとめるとスピーカーケーブルの抵抗は1Ω以下であれば問題はなく、1Ωをいくらか超えても良さそうではあります。

 スピーカーケーブルの抵抗が1Ωならばスピーカーが8Ωのとき、DFは最大で8に制限されることとなります。そこからさらにアンプの内部インピーダンスによってDFがさらに低下することや、スピーカーケーブルの抵抗が1Ωを多少超えても大丈夫だということを考えると、DFの必要最低値は8よりもかなり下にありそうに思えます。ダンピングファクターと周波数特性の変化の図ではDFが1以下では音の劣化がありそうなのでDFの必要最低値は2~4あたりではないかと思えます。


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2019年3月10日 (日)

高音質ケーブルの条件2

 縦振動(音波)を伝えにくいケーブルがオーディオ用として高音質のケーブルであるということで、そのように縦振動(音波)を伝えにくいケーブルとはどのようなケーブルなのか、いくつかの物質の振動の伝わり方(音波速度)を調べてみました
 その結果、物質の代表的な音波速度だけでは、決め手にはならないように思えました。ただし、音波速度がケーブルの音質に対する重要なファクターであることは本当らしいという傾向は認められたと思います(例えば、アルミを導体としたケーブルは音質評価が悪いことや絶縁体ではテフロンがPVCよりも高音質材料とされていることなどが説明できる)。

 銅などの性質からたどる方法は限界になったため、別の方法を考えます。そこで、細い線状の固体を通して音波を伝える道具である「糸電話」を取り上げます。音の良いオーディオ用ケーブルとは、縦振動(音波)を伝えにくいケーブルであり、糸電話の糸としては性能の悪いケーブルであると考えられます。

 糸電話の糸について調べて見ます。

 糸電話の研究についてはいくつか見つかれるのですが、やはり教育目的の実験や小中学生の自由研究のようなものがどうしても多くなります。


・糸電話について、調べてわかった参考になりそうな項目です。

 多くの資料に書かれていることとしては、以下のものがあります。(たとえば、https://dramacontents.com/archives/1489など)

・音を媒介する振動は主として縦振動である。
・低音は高音よりも減衰しやすい。
・糸電話は糸の長さが100m以上でも聞こえる
・細くてしなやかな材料が良い
・太い糸は低音を伝えやすく、細い糸は高音を伝えやすい
・ゴムを使うとあまり聞こえない
・細い方が遠くても聞こえやすい、しかし、いろいろな実験結果を見ると太さを変えてもさほど変わらないとか、まれに、太めの方がよく聞こえたというものもある。
・針金を糸の代わりに使うとエコーがかかって聞こえる
・針金をばねにするともっとエコーがかかって聞こえる
・しっかり糸を張ると振動がよく伝わり、良く聞こえる。糸がたるむと聞こえない。針金の場合多少曲がっても聞こえる。

こちらも小学生の研究ですが、小学生とは思えないほどよく書けています。
https://www.city.chiba.jp/kyoiku/gakkokyoiku/kyoikushido/documents/14oto.pdf
固い材料の方が減衰が小さい
糸の代わりに針金を使うと非常に減衰が少ない
細くて固い針金と太くて柔らかい針金を比較すると前者の方が音がよく伝わった。絹糸、水糸などでは太さを変えても音の伝わり方は変わらなかった。

ゴムを糸の代わりに使った場合一応音は伝わるが小さい。引っ張るとゴムが変位しなくなるため、もっと聞こえなくなる。
(file://kjd-prof/redirect/t-mura/Downloads/kojinkasei13-20.pdf)

針金を使った糸電話の場合、たるんでいても音が伝わる。(たるんだ状態の)細い針金では音が伝わらず、太い針金ならば聞こえやすくなる。
(https://www.kitashirakawa.jp/yama-blog/?p=6257)

 こんなところで、なかなか明快な情報はありませんが分かること、考えられることをまとめると、

 ケーブル状の形状をした比較的固さのあるもの(針金のほか、しっかり張った糸を含む)は振動の減衰が少ない。そのため、ケーブルを伝わる振動は減衰しにくい。

 糸電話に使う糸の太さと音の伝わり方の関係は明快ではありませんが、http://kozu-osaka.jp/cms/wp-content/uploads/2017/08/2013020.pdf(糸の本数を増やして実験)をみると、糸が太い場合に聞こえにくくなるケースは、振動が拡散して不明瞭になることが原因ではないかと思いました。もしかして、波長の長い低音の場合は糸が太くても不明瞭になりにくいのでしょうか?総合的にみると、同じ材料で同じ状態であれば、伝わる振動の大きさ自体は太い糸の方が大きいように思えます。 

 太くても柔らかいものは音を伝えにくい。

 針金を使うとエコーがかかる理由については、針金は振動の減衰が小さいことを原因に挙げる見解が多いようです。これについては針金と紙コップの底という二つの物質の音響インピーダンスの違いが大きいために反射しやすいという原因もあると思います。


 以上のことから、高音質ケーブルの条件について考えます。縦振動を伝えにくいケーブルがオーディオ用として高音質のケーブルであるという仮説から考えると「柔らかい」という性質が有利に働くと思われます。太さについては明瞭ではないが、細い方が振動が伝わる量としては少ないようであり、オーディオ用ケーブルは太さが細い方が有利と考えます。金属線については柔らかくなる傾向にあることも併せて考えると、細い方が望ましい可能性が高いが、柔らかさがより優先度の高い事項ではないかと思います。


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2019年2月26日 (火)

ケーブルの絶縁体

 前回、高音質ケーブルの条件を検討するために重要と思われる固体を伝わる縦振動(縦波音波)速度について調べました

 その直後に平蔵さんのケーブル絶縁体に関する記事が出ました。アコースティックリバイブ石黒社長からのコメントによると、ケーブルの絶縁体は音質的に

PVC < ポリエチレン < テフロン 

とのことです。

その理由として、誘電率の違いを挙げています。

石黒社長のコメントによるとそれぞれの誘電率は

PVC:5.6
ポリエチレン:2.4
テフロン:2.2

とのことです。

 テフロンは誘電率が低いために音質が良いということ(他に誘電正接なるものもあると書いていります)であり、定性的には低い誘電率が信号伝送上有利であることは間違いありませんが、音質上の影響程度については私は疑問を持っています。

 そこで、ふと思ったのが、この音質差が縦振動(縦波音波)の伝わり方によっているのでないかと思いました。

 前回調べたいろいろな物質の縦振動(縦波音波)速度の数字のうち、ケーブル絶縁体に使用するものを拾ってみると、


シリコーンゴム 1,000m/s
テフロン 1,520m/s
低密度ポリエチレン 2,080m/s
ポリ塩化ビニル(PVC 2,395m/s


(ポリエチレンには高密度というものもありますが、電線の被覆はこちらのようです)

ここで、数字を見るとテフロンがポリエチレンやPVCよりも速度が低く、このことがテフロンの高音質につながっているのではないかと見ることが可能です。

ところでシリコーンゴムであれば音波速度がさらに低く、より高音質の材料ではないかとも考えられます。(オーディオ用電線としては、ライカル線しか製品を知りませんが)シリコーンゴムの誘電率をこちらでみてみると60Hz:2.7~4.2、MHz:2.6~2.7となっており、ポリエチレンよりも高いようですので、シリコーンゴムを絶縁体に使用したケーブルがどうなのか知ることができれば、より、音質に影響する要素が見えてくるのではないかと思います。


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2019年2月16日 (土)

高音質ケーブルの条件1

 タイムドメイン由井社長の指摘通り、ケーブルによる音の変化を支配するものはケーブルを伝わる音波(縦振動)であるということで、高音質のケーブルの条件は音波(縦振動)を伝えにくいケーブルであるということになります。
 タイムドメインの製品としては、振動を伝えにくくするため、Yoshii9のスピーカーケーブルとして柔らかいシリコン皮膜を使い、0.2sqと細くヒョロヒョロのライカル線を採用しています。また、アンプYA-1の内部配線は毛のような超極細の電線を使用しているようです。
 そのほか、製品にはできないやり方ですが、皮膜を剥いだケーブルにガン玉(釣りのおもりに使う鉛玉)を加締めて防振するという手法を示しており、一部のタイムドメインファンはそのような自作ケーブルを使用しているようです。
 ということで、答えが示されているものではありますが、この答えについてどうなのか一応調べてみたいと思います。
 
 まず、金属などの固体を伝わる音波の減衰について調べてみようとしてのですが、ズバリ書いてあるものは見つかりません。波の減衰については利用があまりされていないためと思われます。減衰率については、波の速度と関係があり、速度が速いほど減衰が少なく伝わりやすいということのようです。
 固体を伝わる音波の速度については、工業製品材料の厚さ測定や土木構造物の損傷診断などの応用分野があるためかまとめられたものが容易に見つかります。例えば下記のような資料があります。
https://www.olympus-ims.com/ja/ndt-tutorials/thickness-gage/appendices-velocities/
http://5mhz.site/archives/263
https://www.dakotajapan.com/mpseries/point/speed-sound.html
2番目のサイトには音速を求める公式があり、
とあります。
オーディオに使いそうな材料を含んで縦波音波速度の数字を拾ってみると
                                                                                                       
シリコーンゴム
1,000m/s
水銀 1,450m/s
1,500m/s
テフロン
1,520m/s
低密度ポリエチレン
2,080m/s
2,160m/s
ポリ塩化ビニル(PVC
2,395m/s
高密度ポリエチレン
2,460m/s
アクリル(パースペクス)
2,730m/s
ガラス繊維
2,740m/s
3,250m/s
3,320m/s
鋳鉄(軟質)  3,500m/s
3,610m/s
プラチナ 3,960m/s
黄銅
4,430m/s
4,660m/s
鋳鉄(硬質)
5,600m/s
ニッケル
5,640m/s
マグネシウム
5,840m/s
酸化鉄(磁鉄鉱)
5,890m/s
チタン
6,100m/s
アルミニウム
6,320m/s
シリコン
9,620m/s
ベリリウム
12,900m/s
ダイヤモンド
18,000m/s
 
(ただし、シリコーンゴムはhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/koron1944/14/152/14_152_620/_pdf/-char/ja
によった)
 これらは、おそらくは塊状で標準的な状態の速度を示したものなのだろうと思われます。リンク先の記事に注釈があるものもありますが、「これらの物質内の実際の音速は、具体的な組成や微細構造、粒子または繊維の配向、多孔性、温度など、さまざまな要因により大きく異なることがあります。」と書かれており、あくまで目安であるとの注釈があります。そして、資料により数字のばらつきが結構あります。また、材料による固有の鳴きも音に影響するはずですし、ケーブルならばたわんだ状態と張った状態では違います。ですので、ここからどの材料が良いか直接判断できるものではありません。
 それでも、数字を眺めてみると、やはり柔らかいものは速度が遅く、固い(硬い)ものは速度が速いという傾向が分かります。そして、ニッケルメッキよりも(低速度の)金メッキがよいのかとか、使いどころによっては制振材として有効な鉛もやはり低速度なのかといった感想も浮かびます。鉛のケーブルを作ってみたら高音質だったりするのでしょうか(作るには大投資が必要だと思いますが)。音速の公式から行くと密度の高い物質のほうが低速度になりそうですが、低密度ポリエチレンよりも高密度ポリエチレンの方が高速度であるところをみると、密度を上げることにより、体積弾性率や剛性率がより上がるのだろうと思われます。水銀はかなり低速度ですが、水銀で作ったケーブルは電気抵抗が高いにもかかわらずなかなか音が良かったという話(個性的な音との試聴記もありますが)も思い出します。
なお、固体の音波(振動)速度を低くし、音波(振動)を減衰させる構造としては、「気泡」や「傷」があります。傷が入った電線だとか気泡入りの電線(作れるかどうかわかりませんが)とはあまり現実的でない気がしますが、現実的には接点を入れてやるという方法はあります。由井社長は振動を遮断するという発想でケーブルの間にキャノンコネクターを挟むことにより振動の遮断を試みたことがあったとのことです。その結果は音質的には悪化してしまったとのことであり、接点による振動対策は電気的な不利が大きく効果が出にくいということだろうということだと思います。ただし、皮膜については傷とか気泡というやり方も「あり」かもしれません。ラダーケーブルの音質評価が割と高いのは、皮膜が連続していない構造であることにより皮膜を介した振動伝播が少ないことが主たる原因ではないかと私は考えています。
 
 ということで、傷などがないまともな銅線について、状態の違いによる物性の違いを知りたいわけですが、どうもネットで普通に検索する程度ではあまり情報が出てきません。
「銅」や銅線ないし金属線の硬さについて調べると、わかることはこれくらいです。
・硬くなった銅を焼きなます(アニーリングする)と軟化する。
・強度が要求される硬銅線は常温で線引加工することにより製造される。硬銅線をアニーリングすると軟銅線となる。
・純度が高いほうが低温でアニーリング効果がある。超高純度の細線では常温でも軟化する。
・太い電線は曲げた時の最大歪が大きいため曲がりにくく、細い電線は曲がりやすい。
・太い金属線は硬く、細い金属線は柔らかい傾向となる。
電線が細いほど「柔らかく」なりやすいことは事実のようですが、この「柔らかさ」とは曲がりやすさだけを意味しているのか、それともそれに伴って縦振動も伝えにくくするような柔らかさなのかはよくわかりませんでした。直感的には後者だと思うのですが、物理学的な裏付けは見つかりませんでした。
銅や金属の一般的な性質を調べる方法はこのあたりが限界のように思うので、また別の方法を考えたいと思います。


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2019年1月29日 (火)

宅ファイル便から信じられない情報漏洩

 大容量ファイルを送信できる人気サービス「宅ふぁいる便」で大規模な個人情報漏洩が発生しました。

2019年1月28日

(第3報)

「宅ふぁいる便」サービスにおける不正アクセスによる、お客さま情報の漏洩について(お詫びとお願い) 
 このたびはファイル転送サービス「宅ふぁいる便」の一部サーバーに対する外部からの不正アクセスにより、約480万件のお客さま情報が外部に漏洩し、ご利用の皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます。
 調査の過程で、特定期間においてのみ取得をしていたお客さま情報などについても漏洩していることがわかりましたので、お知らせいたします。漏洩したお客さまの総数に変りはございません。
 なお、現時点で個人情報漏洩による二次被害は確認されておりませんが、引き続き第三者を含めた調査を行っており、詳細判明次第、対象となるお客さまにはメールなどにより、順次お知らせいたします。
1.現時点で漏洩が確定したお客さま情報 (下線部分は新たに漏洩が確定した情報)
(1)2005年以降、全期間を通じてお客さまにご回答いただいている情報
・氏名(ふりがな)、ログイン用メールアドレス、ログインパスワード、生年月日、性別、 職業・業種・職種、居住地の都道府県名、メールアドレス2メールアドレス3
(2)上記に加えて、2005年~2012年の期間でのみ、お客さまに回答いただいていた情報
居住地の郵便番号勤務先の都道府県名勤務先の郵便番号配偶者子供
※該当する選択肢番号を選ぶ形式のため、具体的な職業・業種・職種、配偶者や子供の有無などは明記されていません。
2.お客さまへのお願い
・「宅ふぁいる便」と同一のユーザーID(メールアドレス)、ログインパスワードを用いて他のウェブサービスをご利用されているお客さまにおかれましては、誠にご面倒ではございますが、ログインパスワードを変更いただきますようお願いいたします。
・1月13日から1月23日まで、「宅ふぁいる便」のサービスをご利用いただいたお客さまにおかれましては、送信されたファイルをお届けできていない可能性がありますので、ご確認をお願いいたします。
3.宅ふぁいる便を装うフィッシング等の偽装メールにご注意ください。
当社は以下のような行為を実施しておりませんので、メールが届いても、絶対に対応しないでください。
(例)
・宅ふぁいる便に登録された皆様の会員情報の提供
・パスワードの再発行
・口座番号の確認
お客さまの大切な情報が漏洩する事態となり、大変なご迷惑、ご心配をおかけすることになりましたことを重ねてお詫び申し上げます。
ソースはこちら

 メールアドレスやパスワードのほか氏名や生年月日、郵便番号までが流出しているようです。信じがたいことに、これらの情報は暗号化がなされていなかったようです。

 腹立たしい限りですが、現在利用者ができることは同じパスワードを利用しているほかのサービスのパスワードを変更することくらいです。

 近年登録したサービスでは同じパスワードを使っていなかったのですが、昔登録したものにはいくつか同じパスワードがありましたので、一つ一つ変更または退会処理を行いました。

 パスワードを使いまわしていると、覚えやすい反面こういうトラブルがあるとめんどくさいことがわかりました。それぞれ別のパスワードにして、パスワードを管理する方法を工夫したほうが良いのでしょう。

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2019年1月22日 (火)

文部科学省「(大学側は)真剣に自分のこととしてとらえて・・・オマエガナー

 不正入試が発覚した東京医科大学に対して、平成30年度の国の助成金が全額カット、ほかに医学部の不正入試があった岩手医科大、昭和大、順天堂大、北里大、金沢医科大、福岡大については25%の減額される見通しとなりました。来年度分ではなく今年度分がいきなり不交付ということで、対象の大学はかなりの痛手ではないでしょうか。

助成金 東京医科大学でゼロ、日大も減額へ
医学部の不正入試問題で、東京医科大学への国からの助成金が今年度は交付されない見通しとなった。
柴山文科相「東京医科大学は贈賄容疑で前理事長及び前学長が起訴されたことも踏まえ、全額不交付」「(大学側は)真剣に自分のこととしてとらえて、しっかりと改善を図ってほしい」
柴山文科相は、昨年度およそ23億円交付されていた東京医科大学への今年度の助成金の交付を行わないと発表した。
不適切入試が判明した私立の6大学に対しては、本来の額から25%、また危険タックル問題への不適切な対応も踏まえ、日本大学への助成金は35%の減額となる見通し。
ソースはこちら

 裏口入学については仕方ないとして、女子受験生への非公開の減点措置については、限られた人数の医師の中で女性が増えすぎると当直などが回らなくなるといった事情があったとのことであった。
 そうだとするれば、得点調整をして女子の医学部合格者を少なく抑えるという方法のほかに、医学部の入学定員を増やし、医師の全体人数を増やして女性医師の増加に対応するという方法もあったはずです。それができないのは文部科学省が厳しく医学部の入学定員を規制していることに原因があるのであり、それならば文部科学省にも応分の責任があり、問題の当事者であるはずです。
 それを「(大学側は)真剣に自分のこととしてとらえて、しっかりと改善を図ってほしい」とは何事でしょうか。自分のこととして真剣に考えるのは文部科学省の方ではないかと強く思います。


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2019年1月20日 (日)

音質が変化するケーブルの種類から原因を考える

 ケーブル論を続けます。

 今回は、オーディオにおいてケーブルを変えると音が変わることについて、今まで書いてきたことと重複も多いのですが、どのような種類のケーブルで音が変わるかをまとめることによって考えたいと思います。

 ケーブルの変更によって音が変化することが確認されているケーブルを列記します。

ー音楽データを伝送する通信ケーブルー
・スピーカーケーブル
・ラインケーブル
・同軸デジタルケーブル
・LANケーブル
・USBケーブル(再生用、リッピング用共)
・IEEE1394ケーブル
・SATAケーブル
・HDMIケーブル
・光デジタルケーブル

 音楽データーを伝送するケーブルについてはすべてケーブルによって最終的にスピーカーから出る音が変わるようです。上記以外にはPATAやSCSI、サンダーボルトケーブルがありますが、比較試聴記事が見つからないため音の変化は不明です。
 これらのケーブルで音が変わる理由としてはケーブルのLCRや表皮効果によってケーブルがローパスフィルターとなることから音が変化するという考え方があります。
 アナログケーブルであるスピーカーケーブルおよびラインケーブルでは、ローパスフィルター効果による音質変化を見積もることができますが効果は小さく、音質変化の主役と考えるには疑問符が付きます。
 同軸デジタルケーブル~HDMIケーブルまではデジタルの電気信号を伝送するケーブルですが、これらはアナログケーブルよりも周波数が高い分だけ、ケーブルのローパスフィルター効果によって波形がより大きく変わります。しかし、デジタル信号の波形変化がどのくらいの音質変化を及ぼすのか、まともな検討は行われておらず音質を変える程度は不明です。また、ローパスフィルターによる波形変化であるならば、矩形波がなまって丸みを帯びる方向の変化に限られます。それが原因で音質が変化するならば、ケーブル交換による音質変化は常に一方向となってしまい、実際の多彩な音質変化を説明することはできないと思います。
 音が変化する要因として、外来電磁波への対策の仕方によるものが考えられます。ただし、光デジタルケーブルについては、外来電磁波が影響しないため、外来電磁波はすべての音質変化を説明するものとはなり得ません。


ー音楽再生に関わる機器に電力を供給するケーブルー
・アンプ、PC、DAC、CDP等へのAC電源ケーブル
・DAC,、DDC,スイッチングハブ等へのDC電源ケーブル

 オーディオ機器に電力を供給する電源ケーブルについてもケーブルによって音質が変化します。電源ケーブルについてもローパスフィルター効果がありますが、機器内部の回路に遙かに大きな定数が存在するため、これによる説明は不可能です。外来ノイズ対応についてはクリーン電源装置と機器の間のケーブルの場合などは可能性も考えられますが、コンセントと機器をつなぐケーブルの場合は、コンセントの裏側に伸びる配線が無対策であるので、ノイズ源が近接していない限りはケーブルだけの対策で変化があるとは思えません。
 許容電流値によって変わるとの考え方も見受けられます。しかし、販売されていケーブルならば許容電流値は十分な余裕があると思われること、電源ケーブルによる音質変化が消費電力の大きな機器や消費電力の変動が大きな機器に限られないことから考えると無理のある考え方であると思います。

 また、DC電源ケーブルで音が変わるということになると、電圧によってケーブルが振動するという効果も考えにくいことになります。



ー再生に使用する音楽データを伝送しない通信ケーブルー
・音楽データを収納していない、OSがインストールされているシステムドライブを接続するSATAケーブル
・”AirMacExpressの外部クロック的駆動”に使用するLANケーブル
・AVアンプからモニターに画像を出力するためのHDMIケーブル

 さらに、音楽再生に使われる信号が通っていない上記のようなケーブルにおいて、ケーブル交換による音質変化が確認されています。また、AirMacExpressの外部クロック的駆動についてはこの時にAirMacExpressに対して電力を供給する電源ケーブルによって音が変化することも確認されています。このような音質変化は「ケーブルを流れている音声信号がケーブルの特性によって変化し、結果、スピーカーに送られる電気信号が変化する」というスキームでは説明することができません。また、比較試聴の結果においては、音声信号の伝送に使って音質の良いケーブルはこのように音声信号が通らないところに使ってもやはり音が良いという結果が出ています。

 このように音質変化をもたらすケーブルを列記してみると、ローパスフィルター効果や外来ノイズによって説明できる部分は限定されています。

 これらのケーブルすべてについて考えると

・振動を伝える。
・電源が入って動作している機器に接続されている。

という共通点があります。

 したがって、すべてのケーブルで音が変わる共通した理由として、動作している機器で発生する振動を伝導する際の特性の違いが音に影響するとの考え方が魅力的となってきます。

 この場合は、振動を伝えにくいケーブルが高音質のケーブルであるということとなります。

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2019年1月19日 (土)

ケーブルに関する妄想の結果

 相変わらず投稿に間ばかり空いてしまいます。

 ケーブルで音が変化する理由について、ケーブル内において、振動と電圧の相互変換作用はあるのか、裏付けのない妄想にまで範囲を広げて、考えてはみました。
妄想1
妄想2
妄想3
妄想4
妄想5
妄想6

その結果は

・電圧によってケーブルが振動することはとてもありそうではない。
・ケーブルの横振動によって電圧が発生する可能性は無い様である。
・ケーブルを伝わる縦振動(音波)によって電圧が発生する可能性は考えられないわけではない。

ということになりました。もちろん3つ目の項目についても確かに発生していることを示す現象があるわけではありません。

 ということで、ケーブルで音が変わる理由としては、ケーブル内で何らかの電圧と振動の相互作用がある可能性を頭に置きつつも、今のところはケーブルが振動を伝える経路であり、ケーブルの種類によって振動の伝わり方が変わることではないかと考えたほうがよさそうに思います(振動でオーディオの音が変わる機構

 次回は今までの繰り返しを多く含みますが、ケーブルで音が変わる理由について形を変えてさらに書いてみたいと思います。



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